訓言 た行




    董孤の筆 [とうこのふで] 董孤古之良史、書法不隠
    『春秋左氏伝』(宣公二年)
    解説  権力者の圧力を恐れずに、正当な事実を書くこと。


     中曽根政権全盛期の頃、真っ向から時の政権を批判した日本人は一人しかいませんでした。在アメリカの藤原肇博士その人です。そうした博士の姿勢には学ぶべきことが多いのではないでしょうか。

    桃季言わざれども下自ら蹊を成す [とうりものいわざれどもしたおのずからみちをなす] 桃李不言下自成蹊
    『史記』(李将軍列伝)
    解説  桃や李は黙っていても、花をめで実をとろうとする人びとによって自然に道ができる。人格者のもとには自然と人が集まってくる、ということ。漢の将軍李広をほめたことばのなかにある。


     最近の政治家、官僚、財界人には腐った桃や李が増えていますが、そうした腐った花や実を好んで集まる人が多いような気がしてなりません。同じ人間として生まれたからには、美しい花や美味しい実のもとに集まりたいものです。

    呑舟の魚は枝流に游がず [どんしゅうのうおはしりゅうにおよがず] 呑舟之魚不游枝流
    『列子』
    解説  呑舟の魚とは、舟をひと呑みしてしまうような大魚のこと。そういう大魚は、川の支流では泳がないということ。つまり、大きな人生の目標を立て、次はそれを実現すべく環境をととのえること。支流で遊ぶような道草をくわずに、常に目標に向かっていくこと。


     最初から小さな目標しか立てられなかったとしたら、それでその人の人生は終わってしまいます。しかし、時代は小さな目標のままで生涯を終えることをさせてくれないかもしれません。来年のY2K(西暦2000年問題)を皮切りに、ビッグバンなど次々と試練が襲ってきます。それは日本という国への試練であると同時に個人個人への試練でもあるのです。そういった激動の時代を生きる者としてどのような大目標を持つべきか、一度熟考するといいのではないでしょうか。それには文明次元の視座と、それを磨くための同志が必要になるかもしれません。脱藩道場は常にそういった同志の集う場であってほしいものです。


    訓言