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日本脱藩のすすめ 第4号
「30代への脱藩指南」
1998/09/28
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30代への脱藩指南
30代とは、仕事に脂が乗った年代であると言えそうです。そこで、今回
は30代と仕事ということに的を絞って、話を展開してみたいと思います。
まず、基本的には、30代とは40代以降に独立するための修業(準備)の
10年間だと考えるといいかと思います。その意味では、今回のテーマは「3
0代への独立のすすめ」といった主題の方がふさわしかったかもしれません。
仮に独立をするつもりはなくても、いつ会社を飛び出しても大丈夫、独立して
もやっていけるという実力を身につけることは大切なことだと思います。その
ためには、どうすればいいのかという視点で読んでいただいても結構です。
著者が独立をすすめる理由は幾つかありますが、最大の理由は、情報大革命
の進行です。
大局的に見て、世界は情報化社会に移行しつつあります。そして、来る情報
化社会では、独創性、情報収集・分析能力、戦略思考、個の確立といったいわ
ば、T頭脳U・T個人Uで勝負する社会になりそうです。
先の大革命である産業革命のピークを、アメリカは1950年代に既に終え、今
や次の大革命である情報革命のピークを迎えつつあります。それが、アメリカ
が世界経済で一人勝ち出来た主因と言えそうです。翻って、日本はどうでしょ
う。結論から先に言えば、アメリカが50年近く前に経験した旧革命のピーク
を、日本もようやく迎え、そして今や下り坂になりつつあるといったところで
す。そして、情報化社会にすみやかに移行しなければならないというのに、日
本は情報革命の入口で足踏みしている情けない状態です。
旧革命である産業革命の時代は、日本は成功した部類に入り、T自由資本主
義世界Uではアメリカに続き、世界第二位になりました。成功した要因の一つ
として、高度教育を受けた金太郎飴型日本人の存在があげられると思います。
つまり、同じように考え、同じように行動する集団主義型の労働者は重工業型
産業社会で最も求められ、必要とされたタイプの人間だったと言えるのです。
しかし、次なる情報革命では、己の頭で考え、大量の情報を収集・選択・吟
味し、その結果から判断を下し、戦略を組み立て、実行に移す能力が必要とな
ります。そうした能力を養う意味で、個を重んじ、育んできた欧米社会は、情
報化社会のパイオニアたる若者を続々と排出するのに願ってもない環境でした
。それが、アメリカが情報化社会のリーダーとなりえた主因でしょう。
情報化社会とは、従来のような大企業依存型の人間や役人タイプの人間では
ダメでして、一匹狼型の人間が活躍する、喰うか喰われるかの生存を賭けたジ
ャングルの世界です。
そうした世界で活躍するためにも、実力を磨いておき、世界を舞台に活躍す
る脱藩人を目指すべきなのです。
実力に磨きをかけるということは、ズバリ、何でもいいから、これだけは誰
にも負けないというものを身につけるということです。一つの分野の仕事を1
0年の間、それこそ真剣に取り組めば、誰でも世界で五指に入るだけの実力が
備わるはずです。そうした、自らの問題意識が、ビジネスマンとしての専門知
識や、経験の蓄積を通じて身につけた判断力と結びついて、その人のビジネス
・パフォーマンスと呼ばれるものを形成するのです。それを持ち合わせていれ
ば、仕事は世界で幾らでも見つかります。自分が生涯を賭けて取り組む気にな
れる仕事というのは、それを見つけること自体が一種の人生における出会いみ
たいなものです。その出会いを求めて職を変えていくのも人生ですし、ひとつ
の職場でパフォーマンスを維持しながら、チャンスが来るのを待ち構えるのも
ひとつの人生です。そして、生涯に一度か二度はそういうチャンスが訪れてく
るものなのです
一匹狼、すなわち脱藩人を別の表現で表すなら、どの政党、宗派にも属さず
、己の頭で考え、己の肚で決定し、己の体で行動する人間であるとも言えそう
です。そして、一匹狼の世界は孤独で、厳しいものがあります。会社という組
織に属している間は、外国為替で言う固定相場制度のようなもので、仕事・生
活は安定しており、ぬるま湯のような生活だと例えられるでしょう。しかし、
いったん組織を飛び出し、一匹狼、起業家の群れの世界に入りますと、己の仕
事を評価するのは、あくまでも第三者であり、第三者の評価によって己の価値
が常に上下するのだということに早晩気がつくでしょう。つまり、変動相場制
の世界です。実力がなければ世間の評価は低くなり、そのために低収入、とき
には収入ゼロの生活に甘んじなければならないという厳しい世界です。
独立するということは、以上のような覚悟が必要ですが、世界規模の不況の
嵐が吹きまくり、それが日本の状況を変えつつあります。つまり、旧秩序であ
る年功序列・終身雇用制度の崩壊から新しい秩序である年俸制・実力主義の誕
生へと時代は流れつつあります。時流は、確実に脱藩人を求めつつあるのです
。それも脱藩を志す者には、追い風の一つになり得るでしょう。
締めくくりとして、独り立ちできる実力を蓄えたら一刻も大企業で働くよう
な生き方をしたくないというのが、三十代の人生を終えるにあたっての総括に
してほしいものです。
最後に、40代についてですが、著者自身も40代の半ばということもあり
、同世代の人に対して説くというこは、何となく気後れがします。そこでここ
では40代への指南というよりは、40代への呼びかけという形にさせていた
だきたいと思います。
さて、同世代である40代の方達に呼びかけたいのは、40代は、人生朝露
のごとしで、一日一日を無駄にできないのだという気持を持とうということで
す。読まなくてよかった本を読んだり、見なくても済んだテレビ番組に時間を
割かないことによって生み出した余暇を使い、自分が繰り返して読まずにはい
られない本と対話し、どうしても喋り合いたい人たちと議論する中に、40を
過ぎた人間の人生があるのではと思います。お互い、意義のある人生を送ろう
ではありませんか。
次回の第5回は、海外個人旅行を取りあげる予定です。
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脱藩道場 編集部 亀山信夫 葛巻岳
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発行 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
マガジンID 0000006881
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発行部数 347
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Kimura, Tamotsu98.9.28 9:18 AM
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