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               日本脱藩のすすめ  第10号
                
                   「英語道事始」

                                                       1998/11/09
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                            英語道事始

 英語道という言葉から、読者は何を想像されるでしょうか。

 英語道については、これからおいおい述べていきますが、最初に英語道なる
言葉を編み出した松本道弘さんについて語りたいと思います。

 松本道弘。英語道を創立し、英語道の辻説法を長年にわたり続けてこられた
方です。また、ディベートという言葉すら普及していなかった20年以上も前
から、ディベート普及に多大の貢献をされた方でもあるのです。当時、ある国
会議員は、ディベートという言葉を耳にして、「ディベート? 何だそれは。
リベートのことか?」と言ったという笑い話があります。そんな状況の中での
ディベート普及は並み大抵ではなかったと思います。

 ここで簡単に松本さんの略歴を見てみましょう。
●松本道弘(まつもと みちひろ)
●1940年3月6日、大阪府生まれ。
●関西学院大学商学部卒業。日商岩井退社後、アメリカ大使館同時通訳、日興
証券国際金融担当役員秘書、NHKの英語インタビュー番組担当講師、産業能
率短期大学助教授、国際基督教大学講師などを経て、1982年マネージメン
ト開発研究所(後の松本ディベート研究所)を設立。
 その後、自らの理念に基づく英語道を広めんと、「英語道塾、弘道館」を創
立する。現在松本ディベート研究所所長、名古屋外国語大学教授、国際ディベ
ート学会会長を務める。

 では、現在、松本さんはどうされているのでしょうか。ここに今年の6月に
松本さん自身が書いた口上書があります。少々長くなりますが、ここに引用し
てみます。

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拝啓 軽暑の候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別の
ご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 五十八歳の誕生日を控えたこの三月、人生の脱皮とばかり、八年間勤めた大
学を辞職し、時を同じくして、十四年間の社歴を持つ株式会社松本ディベート
研究所(MDI)を自主廃業し、道を求めるかたわら、文筆を専業とする決意
を固めました。これまで公私にわたりご厚情をたまわり、ありがとうございま
した。
 日本古来の道(みち)という羅針盤の有効性を証明すべく、自ら人生の舞台
でビック・バンし、儒教にいう、修身斉家治国平天下のための英語、ディベー
トの道を説くことが、私の天職のように思えてなりません。
 ディベート道を守るための国際ディベート学会という金看板と、それを支え
る私塾弘道館、六輪館という両輪は、武道、外国語、討論(ディベート)を貫
くミチの結晶で、私を支えてくれた生命(いのち)であり、私が死守すべき暖
簾であります。
 その一環として、MDIが誇りとする実社会ディベート研修プログラム受講
を終了し、プロ・トレーナーとして現在活躍中の方々を、専属トレーナーとし
て受け入れていただけないかと、財団法人社会経済生産性本部に相談を持ちか
けてみました。そして、弘道館率いるICEE(我国唯一の英語コミュニケー
ション技能検定試験)に関しては、ALC社に対し、弘道館と連携する形で運
営を続けていただけるか、話してみました。更に、六輪館が率いる日本語ディ
ベート交渉検定試験(別添日本語ICEE)の運営に関し、「ひらがなタイム
ズ誌」を発行されている株式会社ヤック企画へお願いしたところ、三者とも快
くご承諾いをいただきました。本当にありがとうございました。
 さて、明治維新という回天の業を遂げたのは、薩摩藩、つまり士農工商の士
であります。しかし、「士」が政治に結びつき、魚のように頭から腐り始めた
ではありませんか。今の東京を中心とする政財官の道徳的頽廃には目を覆いく
なります。
 「士」は戦後教育と共に風化し、「農」は自由化でつぶされ(見よ、農産物
の自給自足の低さ)、「士」は、世界中から嫉妬のバッシングを受けながら、
空洞化し、「商」が支える商人国家となりました。今始まった金融ビック・バ
ンは、商人国家の脆弱さを露呈し、いずれ日本経済は奈落の底に突き落とされ
ることになるでしょう。乱世を勝ち抜くにはしたたかな処世術、つまり”芸”
が必要になってくるはずです。
 最近身軽になった私が、大阪へちょくちょく足を伸ばすようになったのは、
芸を学ぶためです。同時通訳という話芸を身につけ、単身上京し、NHK教育
テレビのインタビュー番組にレギュラーとして出演できたのも、思い起こせば
私なりの”芸”だったのです。この原点を忘れては、人はすぐに奢り、迷い、
悩み始めます。
 今、乱世。そして私の人生の節目。
 大阪や東京の大衆劇場で、人の道、義理と人情という懐かしい言葉に触れ、
何度も目頭が熱くなりました。無名の座長が、幕が引けたあと、舞台からおり
て街道に立ち、よく観て頂きましたと、劇団のメンバーと共に頭を下げる。テ
レビ時代にない「情」に触れ、私に欠けていたのは、このサービス精神と謙虚
さではなかったか、と猛省し、ようし次は芸人の心でペンを執り、教育の高座
に立って、聞いて頂こうと一念発起いたしました。新たなる私の決意に加え、
これまで御世話になった皆様にあらためて感謝の気持ちを述べさせていただき
たいと思います。本当にありがとうございました。
 今後共、ご指導、ご鞭撻、そして重ねてご贔屓のほど、よろしくお願い申し
上げます。
                                                 
                                 敬具
                           平成十年六月吉日
                               松本道弘
                             (本名 廸紘)

追伸 国際ディベート学会、ICEEの新しい連絡先は後日ご案内させていた
だきます。
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 痛いほど松本さんの心情が伝わってくる文です。
 しかし、松本さんが再び日本の英語教育界で活躍されることを願うのは著者
や脱藩道場の一部の松本道弘信奉者だけでなく、松本さんを知る拙メールマガ
ジンの読者にとっても気持ちは同じであると思います。さらには、拙メールマ
ガジンを陰ながら支援してくださる藤原肇さんとも松本さんは知己でして、春
と秋に行なわれる藤原さんを囲む読者の会に松本さんも時折参加されています
。その藤原さんにしても気持ちは同じかと思います。
 ここは、一日でも早い松本さんの復帰を祈りましょう。

 次回は、英語道シリーズ第2弾として、英語道と脱藩について述べていきい
たと思います。



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脱藩道場 編集部  亀山信夫 葛巻岳
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ホームページ http://www.dappan.org/
発行 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
マガジンID 0000006881
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発行部数 444


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