********************************************************************
日本脱藩のすすめ 第11号
「英語道と脱藩」
1998/11/16
********************************************************************
英語道と脱藩
前回は、英語道とは何かについて説明するつもりが、英語道の創立者、松本
道弘さんの話で終わってしまいました。そこで、今回は英語道とは何かを説明
し、英語道と脱藩が結びつく、すなわち、英語道の修行は、同時に脱藩修行に
もなることについて述べたいと思います。
さて、英語....道、英語道と言うと、何か柔道、空手道、合気道、剣道とい
った武道を連想されるのではないでしょうか。それでも、体を動かす武道と異
なり、英語は数学、科学、国語などのように何となく机に向かってやる勉強だ
というニュアンスが大変強いため、すぐにはピンとこないかもしれません。で
すからなにもそんな大袈裟な、無骨な言い方をしないでもいいのではと思われ
そうです。
そう思うのは、机に向かって、教科書の英語を一生懸命暗唱したり、意味が
不明な単語を辞書で調べたり、単語を丸暗記したり、文法書を紐解いたり英文
解釈に精を出したりといった、従来の英語学習のイメージがなかなか拭えない
ところに原因が有りそうです。
英語道を創立した松本道弘さんは、英語道について、こう語っています。
「剣に道あり、----柔に道あり、----茶に道あり----語学に道があってはなら
ぬものか。
英語は言語である。言語は文化である。文化は人が創る。人は心で通う。し
たがって英語は心である。英語の心とともに、人の心を学ぶ--修業の必要性は
ここにある。英語道はここで諸武芸道と合流する。心を鍛えず剣の技だけを学
べば、殺人剣に発展しやすく、心を鍛えず英語の技だけを学べば、殺人語に発
展しやすい。技を磨くには、相手がいる。友がいる。友には術友と道友がある
。前者は、和を求めんがため、対立を避け、後者は和を求めんがため、対立を
避けない。術友は得やすく、失いやすい。道友は得がたく、失いがたい。術と
は散るのを恐れる花であり、道とは咲くのを恐れぬつぼみである。門弟の師に
対する最大の報恩行為は、師に追いつき追い抜くことである。師の使命は、そ
の実現を助けることである。その手段は誠である。師と
は、道の遠さと絶望の深さを、人一倍自覚している者に与えられる呼称である
。道は日本人のふるさとである。道は宗教ではない。しかし、宗教を拒絶する
ものではない。道は理論ではない。道には始めがなければ、終わりもない。つ
まり理論以前のものである。道は広い門である。だからこそ狭い門なのである
。」 (考える英語 p.190)
多分、これだけではピンとこないかもしれません。英語道の心は、これから
しばらく続く英語道シリーズから掴んでいただく他にありません。
次に、英語道と脱藩の関係について。脱藩が広義の「自己改革」とするなら
ば、脱藩と英語道は一本の糸で結ばれそうです。すなわち、英語道も立派な自
己改革(=脱藩)なのです。「日本文化を乗り越え、世界を舞台に生きる」た
めには、様々な修行・武器が必要ですが、英語もそのひとつです。世界の人達
とコミュニケーションを計るには、英語はまたとない武器です。そして、その
武器を十分に使いこなすには、松本道弘さんの言う、「英語道初段」の力が必
要なのかもしれません。
英語道という言葉だけでもしっくりいかないのに、いきなり英語道「初段」
という言葉が飛び出して、面喰らう人がいるかもしれません。これは、武道(
剣道、柔道、空手、合気道など)における黒帯(初段以上)と同じ実力、つま
り、英語において技術面・精神面共に一定の域に達した人を指すのです。そし
て、脱藩人を目指すのであれば、最低初段の英語力が欲しいところです。
では、英語道初段とはどの程度の英語力なのか、どうすれば初段に昇段でき
るのかといった質問が当然予想されます。これについての詳しい回答は、松本
道弘さんの百冊以上に及ぶ著書を数冊読んでいただければ納得がいくと思いま
す。ここでは、松本道弘さんの言葉を借りて、英語道初段のレベルとはどんな
ものかについて述べてみたいと思います。
英語道初段
「....有段者へのパスポートは、”健全なる絶望”の保持である。英語を外人
とペラペラしゃべれることに自己満足し、まったく悩みのない人は1級止りで
あろう。だが有段者は違う。「私はここまで英語をやってきた。外人ともペラ
ペラと話しはできる、その証拠にアメリカでの生活には不自由しなかった。だ
が、なにか満たされない。なぜか、わびしい。それは、外人に通じる a frame
of reference の範囲内の英語しか使わず、日本人の心のヒダを伝える英語力
に欠けていたからだ」と反省し、一層謙虚に英語の発想、ロジックを学びはじ
める決意を固める。「英語で考える」とは、決して外人のようにペラペラしゃ
べることではなく、考え、苦しむことではなかったかと、われに返り、転迷開
悟する。このころになると、再び日本の文化に関心を示しはじめる----おそら
く英語ぎらいの平均的日本人よりも、ずっと真剣に----。
この域に達するには、数年の海外滞在経験が必要であろう。日本で大好きだっ
たジャズから、ナツメロにかわるのは、一年や二年で十分だか、アメリカの図
書館で日本の古典をひもとき、ため息をつきながら日本人のアイデンティティ
ーに目ざめるには、少なくとも三年はかかる。かくして学んだ”日本の心”を
、フラストレーションを感じながらも外人に論理的に説くことができるように
なるには、さらに数段の力がいる。だが、ここでは触れない。現段階では、あ
くまでも”健全なる絶望”を与え、幼な児のような気持ちにさせ、再出発させ
ることにとどめたい。」
次回は、英語道シリーズ第3弾として、速読について述べていきいたと思い
ます。
___________________________________________________________________
脱藩道場 編集部 亀山信夫 葛巻岳
問い合わせ先 webmaster@dappan.org
ホームページ http://www.dappan.org/
発行 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
マガジンID 0000006881
___________________________________________________________________
★脱藩を志す方に、メーリングリスト【日本脱藩のすすめ】をお勧めします
詳細は、上記URLまで。
|
発行部数 451