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日本脱藩のすすめ 第12号
「速読」
1998/11/23
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速読
よく耳にする話に、「英語は話せないけど、読むことはできる」というもの
があります。
しかし、本当に英語を「読んでいる」のでしょうか?一般に言う、英語が「
読める」というのは、英語の授業で語彙を一つ一つ辞書で引き、それを和文に
直す、言わば、英文解釈のことを指していることが大変多いのです。作者は日
本の大学に行ったことがないので何とも言えないのですが、日本の英文文学部
では、現代ではもう使われていない古典の英文を一生懸命辞書を引き引き読ん
でいくことも英語を「読む」範疇に入れているのではないでしょうか。
最初に、作者がここで言う速読の対象となる英語とは、情報収集を主目的と
する意味での「読む」行為であり、学校の授業での英文解釈や古典をじっくり
と味わいながら読んでいくことではないことをお断りしておきたいと思います
。無論、英文解釈主体の授業や古典を読むのが悪いと言っているのではありま
せん。この辺、誤解の無いようお願いします。
さて、世界を舞台に生きる脱藩人にとって、情報は、必須の武器になります
。ここで言う情報とは、単なる情報収集ではありません。(ちょうどよいので
、英語道シリーズの合間に、「情報」をテーマに次回は筆をすすめたいと思い
ます。)
そして、脱藩人には時間がありません。古典や哲学書などじっくりと味わい
ながら読むのと違って、脱藩人が英語を読むのは情報を得るためなのです。辞
書を引き引き、試訳し、気に入ったセンテンスを丸暗記したりして1時間に1
〜2ページ読むのと、内容を求めて同じ1時間に速読で20〜30ページ読む
のとでは、入手できる情報量が違います。これが1ヶ月、1年、10年となる
と、積もりに積もった情報量は圧倒的な差になります。「30代への脱藩指南
」でも述べた通り、脱藩人のビジネスあるいはコンサルティング能力を決する
武器の一つとして、知識力・情報量・情報分析力がモノをいうのです。そのた
めに速読があるのです。
ここで、「速読」という言葉が出ました。ここで、速読の定義を試みてみま
しょう。ここで言う、速読とは理解度60〜70%を条件に、一分間あたり2
00語(200 WPM----words per minute)以上読めることを速読としま
す。脱藩人として、この程度のリーディングスピードを身につけたいものです
。これは「脱藩人に必要な英語力」で述べた、英語道初段に相当する英語力と
いうことになります。
では、何故速読なのか?それは、速読にはもの凄いメリットが有るからなの
です。では、どのようなメリットか?主な3つのメリットを以下に列挙してみ
ましょう。
1.英語の語感が身につく。
語感というだけでは分かりにくいと思います。会社や学校から家に戻ったと
き、「ただいま」と言うのと、「私は、家に帰りました」と言うのとでどちら
が自然な日本語でしょうか?これが、英語の場合でも自然な英語、不自然な英
語の区別ができるようになる、つまり「語感が身につく」という意味なのです
。
2.英語の、すなわち欧米社会の論理や発想が身につく。
3.英語を通じて得られるframe of reference(知的枠組=知識力・情報量)
が拡大され、スピーキング、ライティング、ヒアリングが楽になる。
では、どのように速読術を身につけるのか?アメリカでは科学的速読法が盛
んです。速読を教えてくれる学校に通うのもいいでしょう。また、スピードリ
ーディングに関する英書とストップウォッチを片手に、速読技術を身につける
手もあります。
しかし、科学的速読法をやるのは、200 WPMを超えるようになってか
らにした方がいいでしょう。それまでは、ひたすら乱読・多読の荒行を続ける
べきなのです。英語のレベルにもよりますが、なるべく辞書を使わずに読むこ
とです。どうしも使いたいときは、英英辞典のみを使うべきです。語彙を増や
そうとして新しい単語を覚えようとしたりしないでください。英語の勉強をす
るのではなく、情報を得るのだということを常に念頭に置いて読み進めていっ
てください。そして、TIME、Newsweekなどの雑誌以外にもあらゆる分野の
英書を読むべきです。よほど読まなければ200 WPMの壁は破れません。
つまり、脱藩人として必要な英語の読書力はモノにならないということです。
最後に、速読に関する役立つ情報を数点取り上げ、今回は終りにしたいと思
います。
●ガーディアン・ウィークリー(Guardian Weekly)
TIME、Newsweekは、日本の雑誌と比較すれば情報としての質は格段に上で
あり、月とスッポンです。しかし、そのTIME、Newsweekにしてもイギリス
の新聞、ガーディアン・ウィークリーと比較するとかなり色あせてきます。こ
のイギリスの新聞に登場する人物は超一流の人々ばかりですし、フランスのル
・モンドとアメリカのワシントン・ポストの見落とせない記事が転載されてい
るのです。最近は、さらにLe Monde diplomatiqueが月に一回転載されており、
益々真価を高めています。かつて、藤原肇博士がTIMEからガーディアン・
ウィークリーに切り換えたら、日本のジャーナリストの情報感覚は10倍は良
くなると言っていましたが、なるほどと頷けるものがあります。
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発行部数 456