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日本脱藩のすすめ 第18号
己れを乗り越える
1999/01/19
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前回の第17号で“脱藩”とは何かについて、読者それぞれ考えて頂けたか
と思います。
そこで、今回は筆者の考える“脱藩”について考えを述べさせて頂きたいと
思います。
ホームページ【日本脱藩のすすめ】を訪れた方は、覚えておられるかと思
いますが、表紙に赤文字で「日本文化を乗り越え、世界を舞台に生きる人間に
なろう」と書かれてあります。ここに、筆者の考える“脱藩”が集約されてい
ます。
以前、メーリングリスト【日本脱藩のすすめ】(脱藩ML)のメンバーで
あるNさん(会社員)から、「脱藩とは何ですか」という質問を受けたことが
有ります。その時の筆者の回答を、少し長くなりますが、下記に転載させて頂
きます。
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(Nさん)
以前、脱藩ML上で、正式に脱藩したと言える人はこのMLにはまだいない
と述べておられました。 また、藤原博士はどうやら脱藩していると認められ
ているようですが、それは、一体どういう観点からそうだと言えるのでしょう
か。
(筆者)
話は古くなりますが、今から10数年ほど前、小生は藤原肇さんに幾つか質
問したことがあります。
その小生の問い合わせに対しての藤原さんの回答の中に、脱藩に関わる回答
が含まれています。その時の内容が本になって残っていますので、参考までに
転載します。(『地球時代の新発想』p.206 東明社刊)
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筆者:西尾(幹二)さんの『ヨーロッパ像の転換』の終章に、「われわれは
己れを越えた何ものかを必要とするのである。われわれは帰属すべきなんらか
の世界を必要とする。それはなんであろうか? 日本という[類]概念を再び
持ち出さなければならないのだろうか? それによってことは何ひとつ片づか
なかったことは、これまで見てきた通りである。[西洋化]は脱出できない宿
命である。それにもかかわらず、われわれは何ものかを必要とするのである。
だが、それは必要という段階を越え出てしまわなければ、有効に機能し得ない
ような何ものかなのである」という文章があります。
そこで質問ですが、藤原さんはその何ものかをつかんだのでしょうか。つか
んだのであれば、あなたにとってその何ものかの実体はなんでしょうか。
藤原:己れを乗り越えることは脱藩にほかならず、その先で何かを必要とす
るかどうかは、人さまざまでこうだと決めつけ得ないが、私にとっては何かに
相当するものはあります。
結論だけを言ってしまうと、私の背後には宇宙システムがあり、私自身が宇
宙の一部にほかならないということです。図3(マクロメガの視点による重大
事件年表 URL:http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/
fujiwara/fig/fig01.html )の上の部分を見ると、自分がドライウエア時代と
いう大きな時代の、ウエットウエア紀という生命の歴史を生きており、精神や
技術を体現しながら、情報革命の時期を体験しているとわかります。それが西
尾さんとは異質の帰属の原点です。
私にはこうした理解だけで充分であり、この恵まれている時代性を謳歌し、
よりよい環境を次の世代に伝えることが使命です。
しかも、生命のレベルで文明や文化を伝える主人公の、遺伝子や酵素の次元
はいうに及ばず、生命圏としての地球の生態環境について、自然学をやった人
間としての立場で、役に立つ提言ができたら嬉しいと思っています。
それから、二十代のなんでもみてやろうから、、三十代のなんでもしてやろ
うに続いて、四十代のなんでも深く学ぼうという姿勢によって、人間は自分な
りに納得する何ものかをつかむのだろうし、真理の一端をかいま見るのではな
いでしょうか。
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なぜ、長い文章を転載したかと言いますと、Nさんの「藤原さんは脱藩した
と言えるのか」以外の問いにも関連するかもしれないと思ったからです。
さて、上記で藤原さんは「己れを乗り越えることが脱藩」と回答しています。
己れを乗り越えるとはどういうことか、人によって解釈は異なると思います
が、小生は、自分の体験と照らし合わせるに、それは自国文化を乗り越えるこ
とだと思います。
海外で出会った日本人で、国粋タイプ・コスモポリタンタイプは別にして、
脱藩タイプは、自分を生み育んでくれた日本文化と居住する外国文化の狭間で
苦闘します。外国文化に溶け込もうとすればするほど苦しみが増すはずです。
例えば、言葉。Nさん、ドイツ語が上達すればするほど、ドイツ的な物の見
方・考え方で話す自分にときどき気づくことがあるのではないでしょうか。時
には、「俺は日本人なのか」と戦慄がはしることがあるかもしれません。
言語は思想であるため、母国語しか知らないということは、相手の文化・物
の見方・考え方といったものが本当の意味で分らないでしょうし、外国人との
コミュニケーションが成り立つとも思えません。
外国語を知らぬ者は、本当は自国語すら知らぬということをドイツの生んだ
偉大な文豪ゲーテが言っていますが、まさに至言だと思います。
ですから、ある意味では、そうした苦しみを味わっているNさんは、恵まれ
ていると表現出来るのかもしれません。
そうした、苦しみ、自己危機を乗り越えて、初めて脱藩したといえるのでは
と思います。
脱線しましたが、日本文化を乗り越えることは、大変困難なことであるとい
うのは確かです。そして、藤原さんは、その意味で脱藩した人と言えると思い
ます。
しかし、藤原流の「脱藩」があってもいいし、「起業」、「海外旅行」、「
対峙」と人それぞれの解釈で良いでしょう。
当初は藤原流の脱藩のみを考えていましたが、人それぞれの脱藩があります
ので、それはそれでいいと思います。
要は、Nさんをはじめ、困難に立ち向かい、前向きに生きている人にこそ、
この脱藩MLで大いに発言して欲しいと思います。
日常の激務から離れた一時にドイツビールを飲みながら、他のメンバーの発
言を読んだり、自分の発言を書いたりしてください。
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以上で、の筆者の考える“脱藩”の輪郭を掴んで頂けたかと思います。また
、上記で述べている通り、人にはそれぞれの“脱藩”がありますが、少なくと
も“脱藩”の共通点たる「現実に真正面から立ち向かい、前向きに生きる」と
いう人達が集うMLであってほしいと願っています。
また、脱藩MLを議論で始終するのではなく、何らかの行動を伴うMLにし
たいというのが筆者の願いです。
前号(17号)て読者にとっての脱藩とは何ですかと問いかけたところ、数
通のメールを戴きました。その中で、このメールマガジンが目指しているもの
を端的に表したメールがありました。
「私は“脱藩”という言葉を、比喩として使用していると、解釈しておりま
す。日本を藩に見立て、藩が時代にそぐわなくなってきた時と同じように、今
の日本が当時の藩と同様な状況になりつつあると仮定しているように見受けて
います。
現在の日本への危機感、また、そこからの自立(?)が、テーマだと思いま
す。」(読者 Tさん)
つまり、己れ自身の“脱藩”(自己改革)の段階に止まる限りは小乗仏教的
な考えです。そこからさらに行動に移す(世直しなど)という大乗仏教的なM
Lにしていきたいと思います。その意味で、Tさんの自立も日本を憂いる意味
なのでしょう。
ここで、脱藩道場の入門条件として、「脱藩を志す人」を唯一の入門条件と
している理由がお分かり頂けたのではないでしょうか。そして、メールマガジ
ン【日本脱藩のすすめ】は志しのある読者に読んで戴くメールマガジンであり
、メーリングリスト【日本脱藩のすすめ】(脱藩ML)は参加者がそれぞれの
脱藩について情報交換・議論をする場であってほしいものです。そうした中か
ら、海外武者修行を通して脱藩をしようというグループ、情報革命という新し
い時代を迎えるにあたり、意識改革・自己改革をしていこうというグループ、
ニュービジネスに挑もうとするグループ、インテリジェンスを磨こうというグ
ループ、その他が沢山自発的に発生してくれればと願っています。
さて、前号(17号)でも書きましたが、筆者は“脱藩”という言葉は、「
時代錯誤的です」という発言に代表されるように、あらぬ誤解を受けてきまし
た。そこで、主に脱藩MLのメンバーに「“脱藩”に替わるを捜そう」と呼び
かけてみました。
すると、様々な反響がありました。実は、この呼びかけには非常に重要な意
味を含んでいたのです。
どのような反響があったかについて、次回報告させて戴きます。
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脱藩道場 編集部 亀山信夫 葛巻岳
問い合わせ先 webmaster@dappan.org
ホームページ http://www.dappan.org/
発行 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
マガジンID 0000006881
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