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               日本脱藩のすすめ  第24号
                
                    パシフィカル語

                                                       1999/03/01
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 パシフィカル語という見慣れない言葉がテーマとして取りあげられ、戸惑う
読者も多いかと思います。『地球発想の新時代』 (P.153)に、パシフィカル
語について言及した箇所がありますので、参考までに抜粋してみましょう。

 「古代の地中海文明のコミュニケーション媒体は、ロゼッタ石や新約聖書で
みられるように、ギリシア語が世界語として機能しました。また、ローマ帝国
からルネッサンスまでの時期は、パックス・ロマーナの時代性を反映して、ラ
テン語が世界語だったので、モーツァルトの主要オペラやニュートンの学術論
文の『プリンキピア』などは、ラテン語やその子孫のイタリア語で書かれてい
ます。それに、18世紀に起こった産業革命以降は、パックス・ブリタニカが
支配的になったために、大英帝国の方言のイングランド語が世界語になりまし
た。20世紀にはその中心が米国に移ったので、経済力と軍事力によるパック
ス・アメリカーナが確立し、英語の方言である米語が世界語として通用してい
ます。これからパックス・パシフィカムの時代になると、パシフィカル語が世
界語になるのは歴史の必然です。
 それではパシフィカル語の実体ですが、言葉の構造の基本は米語を母体にす
るが、意味論的には新しい雑種の性格を持ち、大平洋周辺に存在している各種
の文化が、言語を通じて混じり合い、米語、インディアン語、日本語、朝鮮語
、中国語、タガログ語、スペイン語、インドネシア語、ポリネシア語などが混
血したものになるでしょうね。
 また、この問題を考えるうえで最も重要なことは、現実に体験している文明
的な事件で言えば、コンピュータの普及に見る情報革命です。コミュニケーシ
ョン媒体としてのランゲージは米語が中心だが、これがだんだんパシフィカル
語になり、それがわからないと新種の文盲になるということです。この動きに
反対の立場で攘夷論を主張するより、むしろ文明の新しい流れを読み取って、
いち早く対応の準備をするとともに、戦略を確立することが必要です。」

 上記抜粋からのポイントをあげてみましょう。
1.文明史の観点から、パシフィカル語が世界語になる可能性が高いこと。
2.このパシフィカル語は、米語を主体としていること。
3.インターネットの普及が、パシフィカル語の普及に拍車をかけること。
4.母国語以外にパシフィカル語がわからないと新種の文盲になること。
5.情報革命という大潮流を見定め、いち早く準備をし、戦略を立てること。
 
 上記のポイントから、脱藩修行者は母国語である日本語以外に英語をモノに
する必要があることがお分かり戴けたかと思います。
 
 さて、今回は、3の「インターネットの普及が、パシフィカル語の普及に拍
車をかける」に注目し、インターネット上における英語の普及ぶりを見てみま
しょう。
 最初に、現在、全世界でどのくらいの人がインターネットを使っているので
しょうか。
 Computer Industry Almanac Inc.では、1998年暮れの時点で、世界には1億
5千万人近く (147,000,000人以上)の人がインターネットを使用していると
公表しています。インターネット使用人口の多い国、15ケ国で89%近い人
数(129,900,000人)を占めています。

順位    国      インターネット人口(百万人)
------------------------------------------------------
 1  アメリカ     76.5
 2  日本        9.75
 3  イギリス      8.10
 4  ドイツ       7.14  
 5  カナダ       6.49
 6  オーストラリア   4.36
 7  フランス      2.79
 8  スエーデン     2.58
 9  イタリア      2.14
10  スペイン      1.98
11  オランダ      1.96
12  台湾        1.65
13  中国        1.58
14  フィンランド    1.57
15  ノルウェー     1.34
------------------------------------------------------

同じComputer Industry Almanac Inc.は、2000年の暮れには3億2千万人、20
05年の暮れには7億2千万人のインターネット人口になるだろうとも予測して
いました。
 膨大なホームページに書かれている言語の80〜90%は英語だと言われて
います。日本語のサイトとなると全体のサイトの数%にすぎないでしょう。こ
の意味でも英語をそこそこはモノにする必要性がありそうです。
 英語とインターネットの話に発展しましたので、ここで、英語をモノにする
方法の一つとして、インターネットを駆使して、欧米の新聞を読むことを脱藩
修行者に提案します。

 MSN(マイクロソフト・ネットワーク)ニュース&ジャーナルのエディタ
ーである田中宇さんが『神々の崩壊』という本を最近著しましたが、その本か
ら欧米のジャーナリズムについて言及した箇所を2点抜粋してみましょう。

●日本のマスコミは、「客観報道」を重視するあまり、出来事に対する分析を
「主観的な行為」としてとらえ、避ける傾向が強い。独自の分析を展開しすぎ
ると、読者や他のメディアから「偏向」と攻撃されがちになるし、マスコミに
とって最大の情報源である官僚組織の人々も、歓迎しないであろう。国家を動
かしている人々にとっては、マスコミが国民に分析力をつけさせて、皆が鋭く
天下国家を語るようになっては困るからだ。
●欧米でも、国家を支配する人々は、出来事の背景を美しく見せたがるし、自
分たちの損になることは解説したがらない。そんなとき、欧米の新聞は、記者
が感じた「うそ臭さ」を、皮肉やヒントのような表現で書き表し、読者に伝え
たりする。これなら「誤報」として取材先から訴えられることもないからだ。
こうした手法は、記者の「主観」を嫌う日本には少ないものだが、出来事の「
なぜ?」を知りたい読者にとっては非常に役立つ。

 いうなれば、日本の新聞・雑誌は、“現代の瓦版”にすぎません。昨年の秋
に国際コメンテーターの藤原肇さんが帰国されたおり、「日本滞在中は、日本
の新聞・雑誌を読んでいない」と語っていました。頷けるものがあります。国
際情勢を見抜く本物の眼力を養うには、欧米のメディアに積極的に接するべき
なのです。上記の田中宇さんも、今でこそ世を時めく花形ニュース・エディタ
ーですが、その田中さんも貧乏旅行をした若いとき、「イラン・イラク戦争の
真っ只中のイランを旅行したのだが、テヘランなどをうろうろして、地元の人
々と少し話しても、なぜ両国が戦争をしているのか、さっぱり分からなかった
。欧米の週刊誌に、写真入りでいろいろ書いてあるのは見たのだが、英語の読
解力が大きく不足しており、歯が立たなかった。」と述べているのです。誰で
も最初からスラスラと欧米の新聞・雑誌が読めるわけではないのです。今から
でも遅くはありません。今日からスタートすることをお勧めします。諦めずに
読み続けていけば、誰でも第二の“田中宇”になれるのです。

 次回も引き続き、脱藩修行について筆をすすめていく予定です。




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脱藩道場 編集部  亀山信夫 葛巻岳
問い合わせ先 webmaster@dappan.org
ホームページ http://www.dappan.org/
発行 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
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発行部数 503


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