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日本脱藩のすすめ 第28号
第2回 脱藩道場総会
1999/03/29
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今回は、3月27日に行なわれた脱藩道場総会の模様について簡単にご報告
します。
国際政治コメンテーターの藤原肇博士、国際新科学研究所の実藤遠所長、東
明社の吉田寅二社長を含め、参加者総数は19名でした。
午後1時〜5時に行なわれた総会で話し合われた内容の主なテーマは、西暦
2000年問題を中心とした情報革命についてでした。
西暦2000年問題についての討論が続く中、どうも議論が噛み合っていな
いように思いましたが、藤原さんの「各々の考えている次元が違う」という言
葉で噛み合わぬ原因が納得出来た思いです。
つまり、西暦2000年問題のため、食糧危機に陥る。毎日何を食べていけ
ばいいかという個人の次元で話をしている人。
西暦2000年1月1日には、飛行機事故が連続して発生するという社会の
次元で話をすすめている人。
藤原さんの場合は、文明の次元で西暦2000年問題を捉えています。藤原
さんの考えの一端を示す意味で、新著『理は利よりも強し』から西暦2000
年問題についてふれている個所を抜き書きしてみましょう。
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Y2K(西暦2000年問題)と社会ソフト
歴史は激動の時期に人材を生むというが、天の時としての世紀の変わり目の
瞬間に、Y2K(西暦2000年問題)という大試練がある。生まれ合わせた
のが運命だと思うほどで、数百年に一度の文明レベルの体験は、本当の試練を
学ぶ上での貴重な機会となる。
日本における西暦2000年問題への取り組みは、コンピューターのプログ
ラム問題に矮小化され、電算機のソフトを修正すれば済むと考えられているが
、これは米国の覇権さえも揺るがす時限爆弾である。それだけに機会を生かせ
ば大チャンスになり、生かせずにパニックに陥れば破滅に繋がるが、ソフト・
パワーはそのための試金石になる。
これは中世のペストより猛威を振るう伝染病で、情報時代ハードを担うコン
ピューターが、伝染病で狂って病原菌を吐き出して、接触感染の遺伝子を撒き
散らすタイプの疾病だ。だが、伝染病と遭遇した試練とその克服を通じて、新
知識を取りこみ科学と技術を発達させ、文明は自己組織化を通じて発展してき
たのだし、これからも同じように発展を続けていく。
危機をクライシスにするかチャンスにするかは、指導者の資質に関わってい
る問題であり、人材さえいればこんな偉大な挑戦はない。比喩的に言えばソフ
トな第三次大戦であり、間違えて失敗すれば世界中の銀行の大半が潰れるし、
うまくやればユーロ以上の枠組み変革になる。
Y2Kの衝撃がいかに大きいかについては、二十世紀に石油危機が与えたシ
ョックに比べて、少なくとも数倍の威力だという形容だけで十分だ。
詳細は第7章の第1図を使って説明するが、日本は技術集約型から知識集約
型に向けて、産業社会が移行している状況にあるのだから、社会の全領域にコ
ンピューターが導入され、社会のインフラ構造が情報で管理されている。
技術や知識を集約した社会のインフラ構造が、安全を根底から損なわれる可
能性を秘めるので、文明社会は前代未聞の試練を体験するが、それに挑戦でき
るのは優れた人材だけだ。行く手に大きな挑戦を伴う課題が待ち構え、それが
日本人に新しいビジョンの提供になり、現在の小手先だけの誤摩化しの対策を
放棄して、優先順位の高い課題に取り組む契機にすれば、Y2Kの危機は新し
いチャンスに転換する。
試練に挑むために長らく忘れていた国論を統一し、日本人が総意を全力投入
することによって、思いがけない突破口が目の前に開けていく。しかも、若い
世代が希望と挑戦への意欲を持って、日本と文明の未来のために貢献する目的
で、情報集約型の新しい社会の設計図を描くなら、二十一世紀を黎明の光輝が
照らし出すのである。
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藤原さんの言う、「中世のペスト」の後に、産業革命という地球規模の大転
換期を人類は迎えています。そして、現在は情報革命という次なる大転換期を
迎えようとしていますが、西暦2000年問題が“今回のペスト”なのかどう
かはともかく、われわれに必要なのは文明次元の視点から物事を眺める眼力を
身につけるところにありそうです。
脱藩道場とは、そうした“文明次元の視点”を身につけようとしている者が
集う場と言えるかもしれません。同時に、お互いに試練に挑んでいけるような
同志の連帯を築いていきたいとも思っています。
最後に、今回の脱藩道場総会に出席出来なかった読者に朗報です。藤原さん
をゲストに、「脱藩会」が下記の通り行なわれます。西暦2000年問題を含
めた議論に参加するチャンスですので、是非ご一考ください。
・日時:4月10日(土)午後5時〜9時
・会場:豊島区高田3-8-5 セントラルワセダ2階 電話:03-3986-0684
・会費:1000円
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脱藩道場 編集部 亀山信夫 葛巻岳
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