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               日本脱藩のすすめ  第45号
                
                 中国古典(紅楼夢)

                                                      1999/08/23
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 読者の皆様、長らくお待たせ致しました。一ヶ月の間メールマガジン【日本
脱藩のすすめ】を休載していましたが、今号より再開したいと思います。
 今回は、中国古典シリーズとして『紅楼夢』を取りあげます。

 『紅楼夢』を実際に読んだことはないものの、この古典の存在を知っている
読者は多いのではないでしょうか。『紅楼夢』は絢爛豪華な貴族家庭を背景に
くりひろげられる美貌の公子の悲恋物語でして、どこか、日本の『源氏物語』
を連想させます。
 『紅楼夢』の作者は曹雪芹(1715〜1763)といい、清朝の人です。一説には
、曹雪芹の半生の間に実際に会い、または耳にした才女について語るためにこ
の小説を書いたと言われています。
 しかし、三国志ファンは多くても、紅楼夢ファンというのは日本では少ない
のではないでしょうか。インターネットの中国古典の世界でも、やはり『紅楼
夢』はマイナーな存在です。
 その数少ないインターネット上の『紅楼夢』の中で、メールマガジン【日本
脱藩のすすめ】とは相互リンクはしていないものの、お互いに私信をやり取り
した紅楼夢ホームページの作者がいます。『紅楼夢』に関心のある読者にとっ
て、一見の価値はありますので、下記のページを訪れることをお勧めします。

http://www1.nisiq.net/~pingshan/honglou.html【紅楼夢小辞典】
 絢爛豪華な紅楼夢の世界の一端がこのホームページで展開されています。

 さて、『紅楼夢』は数多くの中国古典のひとつという認識が一般ですが、中
国人である張明澄さんは自著『間違いだらけの漢文 中国を正しく理解するた
めに』(久保書店)の中で、『紅楼夢』について次のように述べています。

     『紅楼夢』という小説は、読む回数と正比例に、その面白
    さを増していくのである。胡適氏や蔡元培氏などの大学者た
    ちも、必らず、いつも『紅楼夢』を一冊、旅行カバンのなか
    に入れていた。
     あの人たちなら、老年になれば、それこそもう何百回も読
    んだことだろう。百ページあたりを読んでいたら、もう百十
    ページになにが書いてあるか、すでに分かっているはずであ
    る。
     それでも、読んでいてけっこう面白いのである。こういう
    変な魅力は、『紅楼夢』特有の魅力であり、とうていほかの
    作品には、こんな魅力がない。
     内容は起伏や波瀾が多く、血、汗、涙、笑いなどが入りま
    じり、この作品を読んだ人は、他の古典などとうてい読んで
    いられない。ことに『源氏物語』あたりは、たいくつ極まる
    感じになる。
     もちろん、『源氏物語』のレベルが、『紅楼夢』より低い
    というわけではない。ただ『紅楼夢』を読んだ人は、つぎに
    『源氏物語』を読んだとき、『源氏物語』にたいして、物語
    がつまらなくて、スケールがいたって小さい、ありふれた宮
    廷色情小説という錯覚におちいってしまうのである。
     ほんとうは、『源氏物語』のレベルのほうが、あるいは高
    いかも知れない。しかし、『紅楼夢』を読んだ人には、すご
    く他の古典がつまらないように見えてくる。
     だから『源氏物語』を訳したところで、まず台湾ではぜっ
    たいに売れないと太鼓判をおせるし、したがって、出版社の
    ほうも、売れない本を出す気になれない。
       -----------------中略-------------------
     中国人から阿片(今ではほとんど吸う人がいない)、マー
    ジャン、『紅楼夢』をとり上げたら、おそらくごく短い期間
    中に、アメリカをしのぐ強大な国になるだろう。今でも台湾
    は、マージャンや『紅楼夢』にかなり時間を費やしている。

 張さんの言う通り、『紅楼夢』は出版以来、中国社会の熱烈な歓迎を受けて
おり、耽読したあまり瘋癲(ふうてん)になったり、肺病になって死んだ子女
も多かったと聞いています。清朝末期には紅楼夢亡国論まで飛び出すありさま
でした。その意味で、生身の中国人の心理を垣間見るためにも、『紅楼夢』と
はいかなる書物か知っておいて損はないようです。ただ、ミイラとりがミイラ
にならないよう注意することが肝腎です。『紅楼夢』が中国人にとってどうい
う存在であるのかを知っておくだけでも、今後の中国人とのおつき合いに役立
つのではないでしょうか。


 再来週も引き続き、中国古典をお届けします。
 
 ■参考文献

 ・『紅楼夢』(河出書房)
 ・『間違いだらけの漢文』(張明澄著 久保書店)

==========================訓言==========================

孤掌鳴らし難し
[こしょうならしがたし]
孤掌難鳴 『韓非子』(功名)
解説 片手のてのひらだけでは鳴らすことができないように、
人間が一人だけで何ごとかをやろうとしても、なかなかむず
かしいものである。 

 インターネットの世界にはSOHO・ベンチャービジネス
関係のメーリングリストがたくさんありますが、その中で一
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ジネスの種などの良質の情報が手に入るだけではなく、ビジ
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脱藩道場 編集部  亀山信夫 葛巻岳
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