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日本脱藩のすすめ 第51号
Y2K(最終回)
1999/10/04
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[はじめに]
前々号の第49号では、個人レベルでのY2Kという試練について述べまし
たが、今号では、Y2Kシリーズの最終回として、文明レベルから見た人類へ
のY2K試練について述べていきたいと思います。
[1] 文明次元から見たY2K
今年の一月に、藤原肇さん(国際政治コメンテーター)が、『理は利よりも
強し』(太陽企画出版)という本を出版しています。
この本は、未だに続いている戦後最大の不況、企業の共同体組織の綻び等、
相次ぐ旧秩序の崩壊に喘ぐ日本が再生する道があるとすれば、どのような方法
(処方箋)があるかを説いた本であり、メールマガジン【日本脱藩のすすめ】
の読者をはじめ、多くの日本人に一読を推薦したい本です。
その本の中で、来年の1月1日に迫ったY2Kについて藤原さんは次のよう
に述べています。
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★Y2K(西暦2000年問題)と社会ソフト★
拙書『平成幕末のダイアグノシス』で詳論したが、現在の
日本は幕末現象に支配されており、トップに立つ人の質の悪
さは目を覆うばかりだ。それは「まえがき」で紹介した勝海
舟のエピソードを読めば、なるほどとうなずかないわけにい
かないし、破滅を防ぐ最良の処方箋は人材の登用である。
だが、無能な人物が指導者の椅子に座り続ければ、亡国の危
機に取り組むよりも諦めが世を覆い、物質的繁栄を浮き袋と
錯覚するようになる。
ひるがえって現在の政界や官界を見渡して、人材を捜せば
徳川末期よりひどい状態であり、徳川末期の時に内政や外政
を担当した者に、安部正弘をはじめ小栗忠順や勝海舟がいた
が、現在この三人に匹敵する人材は見当たらない。未だ修行
中で勉強をしていた福沢諭吉は、幕末の頃には大した活躍を
していなかったが、彼に相当する人物さえ現在いそうもない。
もっとも、「天下に人物がいるかいないかくらいのことは、
居ながらにして知れるようでなくては、とても天下の大事を
任ずることはできない」と言って、「人材などは騒がなくて
も、目玉一つとでどこにでもいる」と勝海舟は断言している
から、それほど心配しなくていいのかもしれない。問題は人
材を見つける目玉と抜擢のタイミングで、適材適所を実現す
る上での決めては天の時であり、優柔不断な態度は常に災難
を招きよせる。
歴史は激動の時期に人材を生むというが、天の時としての
世紀の変わり目の瞬間に、Y2K(西暦2000年問題)という
大試練がある。生まれ合わせたのが運命だと思うほどで、数
百年に一度の文明レベルの体験は、本当の試練を学ぶ上での
貴重な機会になる。
日本における西暦2000年問題への取り組みは、コンピュー
タのプログラム問題に矮小化され、電算機のソフトを修正す
れば済むと考えられているが、これは米国の覇権さえも揺る
がす時限爆弾である。それだけに機会を生かせば大チャンス
となり、生かせずにパニックに陥れば破滅に繋がるが、ソフ
ト・パワーはそのための試金石になる。
これは中世のペストより猛威を振るう伝染病で、情報時代
のハードを担うコンピュータが、伝染病で狂って病原菌を吐
き出して、接触感染の遺伝子を撒き散らすタイプの疾病だ。
だが、伝染病と遭遇した試練とその克服を通じて、新知識を
取りこみ科学と技術を発達させ、文明は自己組織化を通じて
発達してきたのだし、これからも同じように発展を続けてい
く。
危機をクライシスにするかチャンスにするかは、指導者の
資質に関わっている問題であり、人材さえいればこんな偉大
な兆戦はない。比喩的に言えばソフトな第三次大戦であり、
間違えて失敗すれば世界中の銀行の大半が潰れるし、うまく
やればユーロ以上の枠組み変革となる。
Y2Kの衝撃がいかに大きいかについては、20世紀に石
油危機が与えたショックに比べて、少なくとも数倍の威力だ
という形容で十分だ。
詳細は第7章の第1図を使って説明するが、日本は技術集
約型から知識集約型に向けて、産業社会が移行している状況
にあるのだから、社会の全領域にコンピュータが導入され、
社会のインフラ構造が情報で管理されている。
技術や知識を集約した社会のインフラ構造が、安全を根底
から損なわれる可能性を秘めるので、文明社会は前代未聞の
試練を体験するが、それに兆戦できるのは優れた人材だけだ。
行く手に大きな兆戦を伴う課題が待ち構え、それが日本人に
新しいビジョンの提供になり、現在の小手先だけの誤魔化し
の対策を放棄して、優先順位の高い課題に取り組む契機にす
れば、Y2Kの危機は新しいチャンスに転換する。
試練に挑むために長らく忘れていた国論を統一し、日本人
が総意を全力投入することによって、思いかげない突破口が
目の前に開けていく。しかも、若い世代が希望と兆戦への意
欲を持って、日本と文明の未来のために貢献する目的で、情
報集約型の新しい社会の設計図を描くなら、21世紀を黎明
の光輝が照らし出すのである。
(『理は利よりも強し』 藤原肇著p.32)
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[2] 情報革命
最初に、藤原さんの「Y2K(西暦2000年問題)と社会ソフト」を理解する
には、その背後にある情報革命とは何かということを、最初に把握しておく必
要があります。
しかし、情報革命について詳細に述べるとなると、かなりの文書量になって
しまいますので、今号では省略しますが、近い将来、数回にわたって連載して
いくことにしたいと思います。
情報革命については、『理は利よりも強し』第7章「袋小路のソフト小国」
において述べてありますので、第7章を参照にすると良いかもしれません。
また、『理は利よりも強し』をホームページ【日本脱藩のすすめ】でも紹介
しています。そこには、「まえがき」「目次」「あとがき」がありますので、
それを読んだ上で、本を入手し、通読することをお勧めします。
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/books/ri.html
さらに、ホームページ【日本脱藩のすすめ】には、情報革命を理解する鍵と
なる図が二枚載せてあります。これも併せて目を通しておいてください。
・図1 マクロメガの視点による重大事件年表
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/fig/fig01.html
・図3 MTKダイアグラム
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/fig/fig03.html
※上記の図は、いずれもスキャナで読み取ったものですので、見にくいかもし
れません。クリアな図を見たい方は、両図とも『理は利よりも強し』に載って
いますので、そちらを参照願います。
[3] 平成の竜馬、出でよ
編集部(主幹)は、メーリングリスト【Y2K JAPAN 】に参加している他、
様々なY2K関連の書籍・サイトに目を通していますが、ほとんどが個人レベ
ルでのY2K対策、またはコミュニティ(国・企業・自治体など)レベルでの
Y2K対策の話が中心です。文明次元でY2Kを捉えている書籍・サイトとな
ると、皆無であると云って差し支えないでしょう。
Y2Kが、直接個人の生活に影響を及ぼすことが予想されるだけに、最初に
個人としてどのようなY2K対策をとるか、コミュニティではどうすべきか、
といった点に関心が集るのはやむを得ないことなのでしょう。
それでも、それなりにY2K対策をとっているならまだ良い方です。世の中
の実情は、Y2Kに対して見ざる聞かざるで通している人たちが圧倒的です。
こうした人たちに対しては、Y2Kの深刻さに気づいた人たちが積極的に話を
してやり、目覚めさせるしか打つ手はないものと思われます。気づいた人たち
の今後の活躍を期待したいと思います。
ここで、「天の時としての世紀の変わり目の瞬間に、Y2K(西暦2000年問
題)という大試練」とはどういうことなのかについて考えてみましょう。
「Y2K(西暦2000年問題)と社会ソフト」の最後の個所には、次のように
書かれていました。
======================================================
技術や知識を集約した社会のインフラ構造が、安全を根底
から損なわれる可能性を秘めるので、文明社会は前代未聞の
試練を体験するが、それに兆戦できるのは優れた人材だけだ。
行く手に大きな兆戦を伴う課題が待ち構え、それが日本人に
新しいビジョンの提供になり、現在の小手先だけの誤魔化し
の対策を放棄して、優先順位の高い課題に取り組む契機にす
れば、Y2Kの危機は新しいチャンスに転換する。
試練に挑むために長らく忘れていた国論を統一し、日本人
が総意を全力投入することによって、思いかげない突破口が
目の前に開けていく。しかも、若い世代が希望と兆戦への意
欲を持って、日本と文明の未来のために貢献する目的で、情
報集約型の新しい社会の設計図を描くなら、21世紀を黎明
の光輝が照らし出すのである。
======================================================
実は、ここに全ての答が集約されているのです。
最初に、Y2Kによって、実際に大きな混乱が来年の元旦に勃発すれば、地
球規模の問題になるのは確実です。今の世界は、網の目のようにコンピュータ
によって張り巡らされており、何処かの一台のコンピュータが暴走するだけで
世界中が大混乱に陥る可能性大です。そのために、石油・食糧・ガスなどの輸
入が長期間途絶えるという恐れが生じます。そうなった場合、食糧の自給率が
半分近くに落ちている日本はどうなるのでしょうか。そして、産業の血液であ
る石油は、ガスは?
さらに、Y2Kによって引き起こされる混乱は、日本だけではありません。
世界中が大危機に直面することになるのです。最悪の場合、Y2Kによって核
ミサイルの制御コンピュータが狂い、地上で核ミサイルが飛び交う事態にもな
りかねません。
こうした大混乱が予想される中、真に優れた人材が立ち上がり、情報化社会
における日本というビジョンを打ち出し、国民の総意のもとに、新しい社会、
情報化社会に相応しい未来の日本を築いていくことが望まれます。すなわち、
Y2Kという国難を、逆にチャンスしていくという発想の転換です。
今回は、Y2Kを中心に取り上げましたが、試練は何もY2Kだけではあり
ません。Y2Kをはじめとする、様々な試練が今後続々と人類を襲い、破壊(
旧秩序)と創造(新秩序)をもたらし、人類の進歩に大きなきっかけをもたら
していくでしょう。
さらには、Y2Kをはじめとする幾つかの大試練が続いていく中、超大試練
とも云うべき試練が確実に起こりつつあります。情報革命がそれです。来世紀
には情報革命が本格化し、今までの人類の思考・行動様式が大きな変化を遂げ
ていくことは必定です。
来世紀に本格化する情報革命で、日本はどうなるのでしょうか。日本は、
情報化社会のリーダーとして大きく躍進するのでしょうか。それとも、今まで
と相変わらずパソコンのメモリなどの単なるハードを供給するだけの、アメリ
カなど先進国の属国で終るのでしょうか。
昨年の8月1日に立ち上げたホームページ【日本脱藩のすすめ】の「はじめ
に」(残念ながら、操作ミスで消えてしまいました)に、「平成の竜馬、出で
よ」という記述が、ホームページ【日本脱藩のすすめ】を訪れた多くの人たち
の目に止まったと思います。覚えているでしょうか。
今後、数々の国難を迎えるにあたり、文明次元の視座でもって、情報革命と
いう超大波の中で翻弄されている日本丸の舵取りをしていく、平成の竜馬の出
現が待たれるところです。
[終りに]
今号の文明次元からみたY2K、如何でしたでしょうか。Y2Kシリーズは
今号をもって終了としますが、最後に一言。
来年の元旦に勃発するであろうY2K問題は、どの程度の規模で人類に影響
を及ぼすかは分らないということは既にY2K(1)で述べました。
編集部は、来年の元旦に大きな混乱が起こらないよう祈りつつも、心の片隅
では、数ヶ月程度、社会の根幹であるインフラ(電気・水道・ガス・通信等)
がストップすればと思っています。こうしたことを書くと、各方面から不謹慎
だとお叱りを受けるかもしれませんが、その程度のインパクトを与えない限り、
日本人は目覚めないと思っているからなのです。
お互いに、心静かに来年の元旦を迎えたいものです。
再来週は、新しいシリーズを取り上げる予定です。
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■■■ 第3回 脱藩道場総会のご案内
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恒例の脱藩道場総会を開催致します。
参加を希望される方は、氏名、住所、電話番号を必ず記入の上、下記のメー
ルアドレスにお申し込みください。参加申込書を受け取り次第、会場のご案内
等をお送り致します。なお、メールの表題は[参加申込]としてください。
・日時:10月23日(土)の午後1時から7時
※参加申込先:webmaster@dappan.org
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■■■ メーリングリスト【脱藩道場】のご案内
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現在、メーリングリスト【脱藩道場】において、Y2Kが主要テーマの一つ
として取りあげられています。この機会に是非ご参加ください。
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自分のメールアドレスがaaa@bb.ccc.net(例)の場合、
(1) 本文の一行目に、join dappan aaa@bb.ccc.netと入力し
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(3) 最後に、dappan-request@mx5.dns-ml.co.jp 宛てに送信
すれば登録完了です。
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webmaster@dappan.org
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■■■ 【編集室から】福田 潤
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コミュニケーションの難しさを感じている今日この頃です。
脱藩MLしかり。職場もしかり。家庭もたまに・・・・。
よく云われることではありますが、
「相手の視点に立つこと」
が、まず大前提。
その次のステップとして、論理や意味論を道具として
使えることがくるのでしょう。
脱藩MLで「セマンティクス討論会」の口火を切りましたが、
大前提の「相手の視点に立つこと」を
日常生活でできていなかったことを思い知る事件があり、
「修行が足りないな」と実感しているところであります。
相手の立場に立つ上で邪魔になるのがPrideです。
Dignity は、自分も相手も尊重し、決して侵しては
いけない領域ですが、Prideは、分相応且つ奥に秘めて
いないと、そのPrideを持っている本人が傷つくことに
なる・・・・というのが、今の仮説です。
「己を知る」「彼を知る」というのは、生易しいことでは
ないですね。
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脱藩道場 編集部 亀山信夫 葛巻岳 福田潤
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