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               日本脱藩のすすめ  第53号
                
                    情報革命(1)

                                                       1999/10/18
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[はじめに] 情報革命シリーズ開始にあたり

 今号より、新しいシリーズとして情報革命について述べていくことにします
が、その前に、読者の皆さんにお知らせとお願いがあります。

 最初にお知らせですが、それはメールマガジン【日本脱藩のすすめ】の発行
日についてです。
 当メールマガジンはここ1年間にわたり、定期的に発行(毎週月曜日)して
きましたが、今後は不定期発行にします。
 その理由は、編集部の各メンバーの本業が多忙になり、定期的に毎週発行し
ていくことが困難になったためです。
 したがって、今後はメールマガジンの本数が少なくなりますが、その分、内
容を充実させ、より深みのあるメールマガジンにしていくつもりです。

 次に、お願いです。
 これから述べる情報革命については、藤原肇(国際政治コメンテーター)さ
んがその著書群の至る所で述べている「情報革命」のことであり、今回のシリ
ーズの目的も、その情報革命思想の紹介にあります。また、藤原さんの云う情
報革命の紹介ばかりではなく、編集部あるいはその他の脱藩道場メンバーの意
見も都度紹介していく予定です。さらには、読者の皆さんの意見あるいは異見
も、当メールマガジンに紹介していくことで、さらに活発な意見交換の場にし
ていきたいと願っています。
 そのためには、編集部やメーリングリスト【脱藩道場】のメンバーだけでは
なく、読者の積極的な意見が欠かせません。ここに読者の皆さんのご協力をお
願いする次第です。

 なお、今まで隔週のペースで発行してきたセマンティックス・シリーズです
が、これも今後は不定期発行になります。
 現在、メーリングリスト【脱藩道場】において、編集部の福田さんが中心と
なって議論が続いています。ある程度の議論が出た段階で、それまでのメール
を編集し、当メールマガジンにて発表していく予定です。

以上、読者の皆さんのご理解とご協力をお願い致します。



[1] MTKダイアグラム

 第一弾として、今回の情報革命(1)では、MTKダイアグラムについて、
材料を提供致します。

 最初に、図[マクロメガの視点による重大事件年表]を眺めてください。こ
の図は、以下のURLにあります。
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/fig/fig01.html
 
 この図にあるドライウェア一つとっても奥が深いのですが、このあたりにつ
いての意味論的解説が、『アメリカから日本の本を読む』(藤原肇著 文藝春
秋)に述べられている他、同じ著者の他の著書にも簡単な解説があります。し
かし、仮にそれらに全て目を通しても、依然として理解できないかもしれませ
ん。こうした、ドライウェアをはじめとする諸々の概念についてはいずれ当メ
ールマガジンで編集部(主幹)が理解している範囲で述べていきたいと思って
いますが主幹も含む編集部の3人がそれぞれ本業である仕事を抱えている現状
から、当分先のことになります。
 よって、取り敢えず今回は、図[マクロメガの視点による重大事件年表]に
ある情報革命(第3文明期)に的を絞ることにします。
 この図を紹介した理由は、断片的に情報革命だけを捉えるのではなく、常に
大きな流れの観点から、情報革命を捉えてもらうためです。現段階では、情報
革命シリーズは、この図が常にベースにあると知って戴ければ充分です。

 さて、この図[マクロメガの視点による重大事件年表]には、三つの革命が
目につくと思います。農業革命、産業革命そして情報革命です。最後の情報革
命こそ現在進行形で展開している革命であり、今回のシリーズの中心テーマと
なるものです。今号では、図[マクロメガの視点による重大事件年表]以外に
MTKダイアグラムに関する材料を以下に提供致しますので、皆さんの意見・
異見あるいは質問でも結構ですので積極的にお寄せください。
※図[MTKダイアグラム]は以下のURLにあります。
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/fig/fig03.html


    松崎弘文:社会の変化が過去百年間に強烈だったので、マル
    クスの言ったようなパターンが適用できるのは、現在地上で
    産業変化が最も立ち遅れた地域だけである。しかし、経済問
    題についての彼の分析はあくまでも有効性をもっている。た
    とえば、人間の労働が生み出すものは生産物の価値にとどま
    らず、余剰価値を生み出し、それに対する対価は労働に対し
    て払われていないという分析は、それ自体正しい。
    問題はそれを搾取と考えるか、利潤を追求する事実としての
    成果と捉えるかの違いにある。

    藤原肇:利潤を資本の形で蓄積するか、それとも報酬として
    分配するかの問題は、所有の在り方にかかわっていて、人間
    とモノの間に一体どんな社会学的な関係があり、それが政治
    システムの上にどう反映されているかということになる。そ
    の点では、ミルがいうところの生産法則と分配法則にさかの
    ぼって出発し直した方がいい。

    松崎:ミルはよく新マルサス主義者と言われている。それに
    対して、マルクスはマルサスと論争したリカードの系譜に属
    していると言ってよく、しかも、古典派全体に対してのアン
    チ・テーゼを構成する。結局、マルクスはマルサスと違い、
    労働人口ではなく、資本が自己増殖運動を展開することによ
    り、労働は機械や資本より下位の段階に転落してしまうので、
    そこで階級闘争という大変政治的な概念を持ちこむことにな
    った。

    藤原:マルクスが生きていた時代の産業社会を考えてみるな
    ら仕方がないことだけども、彼の問題意識は時代の制約に由
    来する限界に支配されすぎていた。特に世紀末思想がペシミ
    ズムを逆立ちさせた、メシア主義の形で色づけしている点が
    問題だ。

    松崎:それは確かだけれど、その事実をどうやって論証する
    かだ。経済を哲学論争から解放してサイエンスのやり方で整
    理する方法論を作っていく必要がある。

    藤原:その答としては、私が一九七五年に発表した産業社会
    の発展の動態モデルという仮説を使ったらいい。
     エコノミストや社会学者が産業社会について論じる場合、
    ほとんど決まりきったように、第一次産業、第二次産業、そ
    して、第三産業という区分法を使って来た。それがいわゆる
    静的モデルであり、私のはその否定から始まっている。

    松崎:あなたが静的と言っているのは、統計経済学者として
    経済成長学派を代表する、オーストラリアのコーリン・クラ
    −クが考えたモデルに対してだ。簡単に言えば、労働人口は
    第一次産業から第二次産業を経て第三次産業に移行するとい
    うことで、経済学の教科書にベーシックなモデルとして出て
    くる。

    藤原:その通り。余りにも世界的に通用しているので困って
    しまうのだが、国連や各国政府の統計なども、この区分法に
    のっとっている。私はこれを産業の静態(スタティック)モ
    デルと名づけていて、図式化すると第一図のようなものにな
    る。この図は、産業を第一次から第三次まで垂直に積み重ね
    た発想であるために、ダイナミックな産業の生成・発展のプ
    ロセスを明示できない。さらに第三次産業に続いて果たして
    第四次産業とか第五次産業に相当するものがあるのかどうか
    についての問題もある。
     そこで産業社会の基本的性格を特徴づける「労働力」=M、
    「技術」=T、「知識」=Kを組み合わせてMTKダイアグ
    ラムを作ってみる。クラーク方式のように積み重ねずに、三
    角形のそれぞれの頂点に知識、技術、労働を置き、点の位置
    が座標のどこに位置するかを定量的に読むことで、産業発展
    のダイナミズムが定性的に簡単に分るのが、このMTKダイ
    アグラムの特徴になっている。

    松崎:同じ三角形をしていても、MTKダイアグラムは三次
    元的といえる。

    藤原:大体三角ダイアグラムは三次元投影のためのグラフで、
    その読み方は第三図のようである。ポイントAは労働力20
    %、技術力60%、知識力20%で技術指向を表わす。また、
    B点に位置する産業は労働力10%、技術力30%、知識力
    60%だから、技術に支えられた高度に知識集約化された産
    業、ということになる。

    松崎:それぞれの中間型の産業もはっきりするし、混合型も
    明示できますね。

    藤原:それは第四図の2と4に典型的に現われている。そし
    て、このダイアグラムの最大のメリットは、ほとんどの産業
    が労働集約型から技術集約型を経て知識集約型に移行する、
    という一般法則と共に、静的区分法で第三次産業と呼ばれる
    ものが、一般の産業と異なり、技術集約型を経ないで労働集
    約型から直接知識集約型に移行する特殊なケースだと、はっ
    きり理解できる点にある。

    松崎:頂点に究極的なバランスが取れ統合化された状況を想
    定して、それをオメガ・ポイントとしてこのダイアグラムを
    三角錐と考えれば、一般の産業は時計の進行方向と同じスパ
    イラルなパターンの軌跡を描くが、第三次産業と呼ばれるも
    のだけは、MとKを含む錐面に近い所を動くということにな
    る。

    藤原:おそらくその学問的な把握のためには、多次元問題を
    空間的に考えるトポロジカルな理解がいることになると思う。
    そこで、このMTKダイアグラムの各頂点に位置するM・T
    ・Kの三要素のエネルギー的側面を考察すると、労働力指向
    型の産業社会は人間の労働が主体であり、人間の活力源は食
    糧だから、社会全体が食糧生産を主体にして運営されたとい
    う特性がつかめる。

    松崎:人間は食糧が無い限り生きられないし、人間をひとつ
    の熱機関だと考えれば、食料こそエネルギー源であることは
    疑いの余地がない。実際に古代や中世は食糧が価値の中心の
    時代でもあった。また古代の奴隷や農奴に続いて利用した畜
    力はさしずめ近代における機械と同じ位置づけもできるわけ
    です。

    藤原:技術集約型産業社会の中核は、工場を中心にした産業
    設備や機械類です。
     そして、工場や機械を動かすのが電力やジーゼル油であり、
    こういったエネルギー源の主体になっているものが現在では
    石油である以上、技術集約型産業社会の活力源は石油です。
     もちろん、古代や中世の工場は薪や木炭をエネルギー源に
    使ったし、十九世紀は蒸気機関の時代として燃料の主役は石
    炭だったが、現代はそれが石油や天然ガスになっている、と
    いう歴史的な変化の相で捉える視点がその背後にあるのは当
    然である。
     問題はこれから本格化しようとしている知識集約型の産業
    社会であり、この社会の活力源は情報といえる。情報はエネ
    ルギーの特殊な在り方に他ならないし、別の表現をすれば、
    ソフトウェア指向型の産業社会ということになる。

    松崎:人間本位の社会と呼んでもいい。

    藤原:マルクスが資本論をまとめた時代は、産業革命の成果
    によって、人間の肉体労働が機械力に置き換えられ、社会の
    性格が労働集約型から技術集約型に移行しようとする発展段
    階にあった。
     だから、彼は労働の担い手としての労働者をプロレタリア
    として抽出し、その食料購入のための媒体を賃金として定量
    化すると共に、機械や工場設備を整える媒体としての資本に
    注目して、再生産のための手段を財貨的なモノとして捉える
    唯物論を展開した。
     ところが、二十世紀の後半を迎えて、情報革命の中で新し
    いタイプの産業社会が発展し、それがソフトウェア的な知識
    集約型として性格をはっきりさせ始めた。こういう未来社会
    を展望することが不可能だったために、マルキシズムの限界
    がここに来て明白にならざるを得なくなった。しかし、それ
    はマルクスの欠陥ではなく、彼の生きていた時代の枠からす
    ると当然の限界であると言った方がいい。

    松崎:アダム・スミスの自由競争に反対する形で登場したた
    めに、十九世紀から二十世紀前半において、マルクスの考え
    方は大いに広まった。
     特に、資本主義がより発展して自由主義的な性格が強まる
    に従って、独占や寡占が支配的になり、競争が無くなると解
    釈したところに、マルクスの誤解があった。
     実際は逆で、封建主義や専制主義と同じで、共産主義にな
    るに従って国家による独占支配が競争の原理を圧殺し、硬直
    した官僚主義が社会そのものを、労働者と工場という産業革
    命直後とほとんど変らない状況に固定してしまった。

    藤原:情報がオンタイムで地球全域に伝わるという時代性を
    背景に、マルクス主義を徹底的に批判して、新しい『資本論
    』を書かなければならない時代が来ている。しかも、ソフト
    な資本論であり、ソフトウェアがキャピタルだという新理論
    が必要だ。これからの産業社会の発展の推進力としての資本
    は、モノとしてのキャピタルではなく、情報と結びついた人
    間という意味での人的資源としてのキャピタルになる。

    『マクロメガ経済学の構造』(松崎弘文・藤原肇著 東明社)


 今号の材料提供は以上です。是非、読者独自の観点・立場を構築していって
ください。



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■■■ メッセージ
■■■

 情報化が進んで人材のネットワークが拡がれば、世界全体を視野に入れる能
力を持ち、国境の枠を越えて考えたり行動できる人材が、世界を舞台に活躍す
るのが自然です。
             『地球発想の新時代』 藤原肇著 東明社 p.254



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■■■ 第3回 脱藩道場総会のご案内
■■■

 恒例の脱藩道場総会を開催致します。

 参加を希望される方は、氏名、住所、電話番号を必ず記入の上、下記のメー
ルアドレスにお申し込みください。参加申込書を受け取り次第、会場のご案内
等をお送り致します。なお、メールの表題は[参加申込]としてください。

・日時:10月23日(土)の午後1時から7時

※参加申込先:webmaster@dappan.org
 


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■■■ 投稿
■■■

 今号の内容について、読者の皆様の積極的な意見を求めます。寄せて戴いた
意見を当メールマガジンに転載することで、より活発なメールマガジンにして
いきたいと願っています。ご協力のほどお願い致します。
(※投稿して戴いた読者の本文以外に、メールアドレスや氏名あるいはハンド
ル名も載せる予定です。当メールマガジンにメールアドレスや氏名を載せて欲
しくないという方は、必ずその旨記入を願います。)

※投稿先:webmaster@dappan.org



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■■■ 【編集室から】亀山 信夫(主幹)
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 恒例の脱藩道場総会も、いよいよ今月(10月)の23日に迫りました。
 今回は、21世紀科学の新しい潮流となるであろう、メタサイエンスが中心
テーマになる予定です。
 当日の参加予定者は当日に備えて準備に大童といったところでしょうか。参
加予定者は、今日に至るまでの科学(古典物理学)の歴史的な流れを見直し、
ホロコスミックス、メタサイエンス、フィボナッチ数列といった新しい科学の
潮流を理解した上で、己れの視点を確立しようと頑張っているはずです。
 その成果が当日どう出るか、今から楽しみですが、読者の中でそうした分野
に関心のある方は、下記の本を一読され、参加すると得るものが多いと思いま
す。一読の上、脱藩道場総会への参加をお勧めします。

・『宇宙巡礼』(藤原肇著 東明社)
・『間脳幻想』(藤井尚治・藤原肇共著 東興書院)

※下記のURLに上記の本の案内がありますので、参照願います。
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/rb3/nobuo-km/fujiwara/books.html



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■■■ 藤原肇博士からの贈り物
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 藤原博士のご厚意により、博士の本を著者購入割引の価格でお分けします。

 本の入手方法は、郵便局の払込書を使い、下記の通りに送金願います。
 尚、本の発送は入金確認後になりますので、よろしくお願い致します。
 海外からの本の発注にもご相談に応じますので、お問い合わせ下さい。


口座番号  00100−4−26390 
加入者名   東明社 
金額        Aグループは、¥7,000、Bグループは7,500 
住所氏名    住所と氏名を楷書で記入 
通信欄      希望する本のグループ、AまたはBを明記 



★★★Aグループ(初級レベル)★★★

No      書名         定価 
1 『地球発想の新時代』     1,600 
2 『オリンピアン幻想』     2,200 
3 『平成幕末のダイアグノシス』1,600 
4 『経世済民の新時代』     2,500 
  (消費税 5%)        395 
  (送料)            500 
  合計             8,795 

※通常価格¥8,795円に対し、¥7,000円でお分け致します。 



★★★Bグループ(上級レベル)★★★
No      書名        定価  
1 『山岳誌』          3,500 
2 『宇宙波動と超意識』     1,800 
3 『虚妄からの脱出』      1,200 
4 『宇宙巡礼』         1,800 
  (消費税 5%)        415 
  (送料)            500 
  合計             9,215 

※通常価格¥9,215円に対し、¥7,500円でお分け致します。 



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