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日本脱藩のすすめ 第58号
IT革命
2000/08/20
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[はじめに]
前号では、出井ソニー社長が東京新聞インタビューで放った「温故知新って
嫌いなことばでね」に対する批判を試みました。
今号では、同じ出井社長が同インタビューで発言した「IT革命」なるもの
にメスを入れてみたいと思います。
[出井社長のIT革命観]
最初に、同記事から、出井社長のIT革命観がよくわかる発言個所を抜き書
きしてみましょう。
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5年もたつと、ブロードバンド化され、ネットワークの影響は
もっと大きくなる。それが第二のいん石ですね。通信と放送と新
聞との産業の壁がなくなる。その方向じゃないかな。今、変化し
ていない企業は、その時、もっと打撃を受ける。新聞はないかも
しれないしね。今はメディアの変化が起こっているわけですよ。
僕はインターネット革命は、18、19世紀の産業革命よりも影
響が大きいと思いますよ。
『2000年 それぞれのメッセージ』(東京新聞 6月11日)
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インターネット革命を“情報革命”と置き換えれば、基本的に出井社長の意
見「インターネット革命は、18、19世紀の産業革命よりも影響が大きい」
に同意できます。
ただし、アメリカの独立、明治維新、フランス革命といった、一部地域で勃
発した“革命”ではなく、人類全体をも巻き込むような大革命と言えば、今ま
でに人類が体験した大革命は2つだけであったという点に注意する必要があり
ます。すなわち、1つは農業革命、もう1つは産業革命です。
そして、現在の人類は第三の大革命を体験しつつありますが、それこそが情
報革命に他なりません。この情報革命は、過去の二大革命以上に、人類の生き
方・思想などを根本的に変えてしまうほどのパワーを秘めていると思える節が
あります。このあたりを裏付けてくれる1枚の図がありますので、以下のUR
Lを参照願います。
[マクロメガの視点による重大事件年表 ]
http://www08.u-page.so-net.ne.jp/rb3/dappan/fujiwara/fig/fig01.html
いずれにせよ、人類誕生から今日にいたるまでの時空の次元から出た“情報
革命”の話であれば納得できるのですが、出井社長の言う“インターネット革
命”はどうもそうではなさそうです。それは、「5年もたつと…」といった発
言からも明らかです。つまり、出井社長の考える“インターネット革命”、あ
るいは“IT”革命とは、ここ5〜10年程度の時間を指す程度の、底の浅い
ものに過ぎないのです。
大切なことは、目の前で起こっているインターネット革命とかIT革命とい
った小変化に惑わされるのではなく、一端、現在の小変化から離れ、「情報革
命」というものの本質とは何かという大変化の観点から、われわれは情報革命
を見つめ直す作業が必要になります。
では、情報革命の本質を掴むにはどうすればいいのか?
ここに、再び歴史がクローズアップされてきます。
せっかく、人類は農業革命そして産業革命という二大革命を体験してきてい
るのですから、その二大革命によって、過去にどのような変化が起こり、どの
ような影響を人類全体にもたらしたかという観点からの思索を行うべきである
と思います。これこそが、過去の大革命から学ぶという姿勢、温故知新のすす
めに他なりません。
その観点からの思索を行えば、ITは文字通り、単なる情報“技術”に過ぎ
ないことが明白になり、その裏に隠された本当の潮流、すなわち情報革命の本
質がおぼろげながらも浮かび上がってくるはずです。そして、小は個人、家庭、
コミュニティから、大は日本、アジア、地球レベルまで、現在自分の置かれた
立場が明確に認識できるようになるのであり、自身の確かな将来の行動指針を
も手に入れることになります。
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今は「eビジネス(IT関連事業)って、「e」が言われ過ぎ
ている。何でもネットワークというのは絶対間違いでね。結局、
モノがないとネットワークのサービスも発達しない。今の混乱が
終われば、再びモノづくりが重要になってくるはず。日本の強さ
ってモノづくりだし、ソニーのコアはやはりエレクトロニクス。
ネットワーク時代とモノと会わせ技になった新エレクトロニクス
の再興は、2010年だと思っている。
『2000年 それぞれのメッセージ』(東京新聞 6月11日)
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上記の出井社長の発言は、典型的なハード志向型の発言であることは疑いの
余地がありません。
現実は、ソフトウエアに関しては、アメリカに遅れること何十年もの開きが
出ています。また、若い科学者を積極的にアメリカに留学させ、優秀なソフト
ウエア技術者を大勢誕生させた韓国や台湾にも追い抜かれる日もそう遠くはな
いでしょう。
それは、ソフトウエアに限らず、ハードウエアにおいてもしかりで、台湾な
どに追い抜かれる日が目の前に迫ってきていると言えます。
原因はいろいろと考えられますが、根本的には、自分自身を取り巻く日本型
思考の壁を取り払う努力をしてこなかったのが、日本が取り残された大きな原
因の一つです。無論、その他にも多くの大なり小なりの原因がありますが、そ
うした原因を徹底的に追求し、問題を取り除いていこうとする努力をしていか
ない限り、このままでは日本は奈落の底に突き進むしかありません。
日本を蘇えさせる方法はないのか?
その答の一つに、“脱藩”があります。
脱藩に気づかなければ、視野狭窄に陥るのは必定です。ここに、脱藩を望む
読者に対し、メーリングリスト【藤原肇】への参加を強く呼びかける理由があ
ります。
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編者 亀山信夫
問い合わせ先 webmaster@dappan.org
ホームページ http://www.dappan.org/
発行元(1) まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行元(2) Macky! http://macky.nifty.ne.jp/top.htm
発行元(3) Pubzine http://www.pubzine.com/
読者総数 903名
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るためのメーリングリスト【藤原肇】を開設していますので、参加を希望され
る読者は以下のフォーマットに記入の上、編者宛てに送付願います。
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