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               日本脱藩のすすめ  第66号
                
                21世紀の世界と日本(2)

                                                         2001/07/07
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[1]はじめに
 
 読者の皆様、大変ご無沙汰しております。

 今年の元旦にメールマガジン【日本脱藩のすすめ】第65号の発行以来、仕
事(産業翻訳)が切れ目なく続いた上、今秋に開講予定の国際ビジネス・スク
ールの準備に東西奔走していました。そのため、なかなか今号の発行に至らず
読者の皆様に申し訳なく思います。今秋のビジネス・スクールが軌道に乗れば
以前のように定期的に発行できるのではないかと思っていますが、どうかもう
暫くのご辛抱のほどお願い致します。



[2]21世紀の夜明け “日本再生”のガイドライン(上)・(下)

 今年のはじめ、『財界にっぽん』(株式会社財界にっぽん)という経済雑誌
から、藤原肇さんの「21世紀の夜明け “日本再生”のガイドライン」とい
う新世紀放談が掲載されました。(※編者注:藤原さんの寄稿が載るのは、最
近は『財界にっぽん』が主です。藤原さんの寄稿に関心のある読者の方は『財
界にっぽん』の定期購読をお勧め致します。詳細は、株式会社財界にっぽんに
直接お問い合わせ願います。ちなみに、今月発行の8月号では、北大の新川教
授との対談が掲載されました。Tel:03-3257-6701  Fax:03-3257-6704 )

 「21世紀の夜明け “日本再生”のガイドライン」で編者が特に注目した
のが、「賎民資本主義」と「武士道精神」でした。「賎民資本主義」に関して
は、藤原思想を研究するメンバーが集うメーリングリスト【藤原肇】の有志の
一部から、新しいメーリングリストを開設し、「賎民資本主義」に集中して討
論を行ってみたいという動きもあり、また、メーリングリスト【藤原肇】でも
「21世紀の夜明け “日本再生”のガイドライン」を巡って活発な情報交換
が行われていることから、「賎民資本主義」については今回は省略し、代わり
に「武士道精神」について簡単に述べたいと思います。



[3]武士道精神

 最初に、「21世紀の夜明け “日本再生”のガイドライン」の中で、武士
道精神について述べたくだりで、重要と思われる箇所を以下に抜き書きしてみ
ましょう。


     「ノブレス・オブリジュ」という言葉があるが、これは
    「尊敬に値する立場の人は、それに相応しい品性、教養、
    良識を備え、社会に進んで貢献する」という意味であり、
    フランスの貴族社会にルーツを持つ言葉だ。これはヨーロ
    ッパの騎士道精神に通じており、アイルランド出身のカー
    ネギーにとっても、彼の理想を体現する崇高な精神でもあ
    った。

     日本には誠に基づいた武士道精神があって、そのエッセ
    ンスは騎士道と通低しており、21世紀に真の意味で尊敬
    される国に脱皮し、再生した日本が躍進を開始するために
    は、現在の腐敗した状態の大掃除が不可欠だ。しかも「ノ
    ブレス・オブリジュ」を武士道精神で裏打ちした、真に優
    れたリーダーの登用に失敗すれば、日本の行く手は地獄の
    底への転落であり、そんな運命を選ばない叡智が必要にな
    る。

 
 「ノブレス・オブリジュ」という言葉に代表されるように、フランス精神に
傾倒されている藤原さんから、「武士道精神」という言葉が出たのには、読者
の皆さんは驚くかもしれませんが、藤原さんの過去の著作には、「野心(のご
ころ)」あるいは、「修業」という言葉が登場することが多いことを思うに、
別段奇異でも何でもありません。藤原さんは、青年時代に東西の古典、特に四
書五経をはじめとする、中国古典に真剣に取り組んだという一時期があったの
であり、そうした読書体験を通じて東西の古典を薬籠中の物にしたことが、今
日の藤原さん自身の持つ思想の核になったと編者は見ています。

 藤原さんとお会いするたびに、明治という時代を想います。明治という時代
は、本物の教養人、国際人が綺羅星の如く輩出した時代でした。森鴎外、夏目
漱石、新渡戸稲造、内村鑑三、岡倉天心、西周…。

 しかし、現代日本の本物の教養人、すなわちルネッサンス人は、と問われる
と、藤原さんをはじめとする、ほんの一握りの日本人しか名前が思い浮かばな
いほど、日本人の教養は底の浅い、貧相なものになっているのが実情です。



[4]再び、本多勝一

 ここで現在の日本を振り返るに、政界・財界の堕落ぶりは目を覆うほどです
が、それは、武士道精神の欠片もない連中が日本の政界・財界を握っているか
らに他なりません。このままいけば、そうした連中によって、日本は亡国の憂
き目にあいかねません。本来であれば、“社会の木鐸”たるべきマスコミが、
日本の亡国を食い止めるべく、警告を発するという重要な役目を背負っている
はずです。

 しかし、藤原さんの新書『夜明け前の朝日』(鹿砦社)を一読された読者は
既にご存知の通り、そのマスコミすら本来のジャーナリズム精神を見失ってい
ます。ジャーナリズム精神の何たるかを忘れた代表例に、同著の「第三章 朝
日・講談社巻き込む「太激論」の欠落した部分」の、「[歴史の証言](その
1)何が本多勝一を駆り立て誰が操ったか」に登場した本多勝一氏がいます。

 本多勝一氏については、メールマガジン【日本脱藩のすすめ】第65号で既
に述べましたので、ここでは繰り返しませんが、本多勝一氏のファンであると
思われる数名の読者から、「何を根拠に本多勝一を批判するのか」というお叱
りのメールを頂戴したことがあります。そうした読者には、この機会に回答し
ておきますが、メールマガジン【日本脱藩のすすめ】第65号の中で(『朝日
と読売の火ダルマ時代』に)「もっとも頻繁に登場する人物の一人がかの本多
勝一です。」と編者は明白に述べています。再度第65号を再読していただく
と同時に、上述の『夜明け前の朝日』も併せて一読してもらえれば、本多勝一
氏を巡る問題は一目瞭然かと思います。

 メールマガジン【日本脱藩のすすめ】第65号、『読売と朝日の火ダルマ時
代』、『夜明け前の朝日』を一読した上で、、それでも納得いかないという読
者の方は、メーリングリスト【藤原肇】という討論の場を用意してあります。
無論、藤原さんも参加されていますので、この機会に是非ご参加の上、存分に
意見を述べてみてください。なを、編者の場合、多忙につき、問合わせ・批判
といった私信に対しては回答する余裕はありませんので、予めご承知おき願い
ます。



[5]『武士道』

 著者の手許には新渡戸稲造博士の『武士道』が2冊あります。

・『Bushido』(by Inazo Nitobe, Charles E. Tuttle Co., Lnc.)
・『武士道』(新渡戸稲造著・奈良本辰也訳 三笠書房)

 『武士道』については、実際に目を通していただくとして、低迷を続ける今
日の日本および日本人が、長いトンネルから抜け出す一つの指針として、新渡
戸稲造博士の『武士道』は一読に値します。

 その『Bushido』の第2章「Sources of Bushido」に、 以下のようなくだり
があります。

   The writings of Confucius and Mencius formed the principal text-
books for youths and the highest authority in discussion among the 
old. A mere acquaintance with the classics of these two sages was 
held, however, in no high esteem. A common proverb ridicules one who 
has only an intellectual knowledge of Confucius, as a man ever stu-
dious but ignorant of Analects. A typical samurai calls a literary 
savant a book-smelling sot. Another compares learning to an ill-
smelling vegetable that must be boiled and boiled before it is fit 
for use. A man who has read little smells a little pedantic, and a 
man who has read much smells yet more so; both are alike unpleasant. 
The writer meant thereby that knowledge becomes really such only when 
it is assimilated in the mind of the learner and shows in his character.
An intellectual specialist was considered a machine. Intellect itself 
was considered sub-ordinate to ethical emotion. Man and the universe 
were conceived to be alike spiritual and ethical. Bushido could not 
accept the judgement of Huxley, that the cosmic process was unmoral.

 上記の箇所は、単なる知識と本物のインテリジェンスとの違いを明白に述べ
た文章として、著者の好きな箇所の一つであり、メーリングリスト【藤原肇】
も、その人のもつ知識の豊富さを自慢する場ではなく、お互いのインテリジェ
ンスを磨くための場です。インテリジェンスに関心のある読者、そして、新渡
戸稲造博士の著書を通じて、日本の将来に何等かの希望の灯を見出した読者は
この機会にメーリングリスト【藤原肇】への参加を検討願います。





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編者     亀山信夫
問い合わせ先 dappan@rb3.so-net.ne.jp
ホームページ http://www08.u-page.so-net.ne.jp/rb3/dappan/
読者総数   1091名
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藤原肇博士の新著
『夜明け前の朝日』鹿砦社
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発行部数 まぐまぐ 869 Macky! 78 Pubzine 80 Melma! 63 1090


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