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                 日本脱藩のすすめ  第68号
                
           藤原思想の枠組みと新世紀の創作活動

                                                             2001/08/25
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■■■ 2.藤原思想の枠組みと新世紀の創作活動
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■■■   編集・金子純一
 

2−1. 藤原思想と天・地・人 ー山に選ばれる喜びー

藤原さんは、天の次元に対しては、メタサイエンティストとして虚次元に飛び込んで
アインシュタインを超えて宇宙システムを読み解くことを手がけ、地の次元に対して
はジェオロジストととして地球の医者の役割を果たしてこられた。

そして、藤原さんは、この天と地のシステムの本質に関わる深い理解をバックにし
て、人の次元においては、明知・合理・普遍・時中に基づいて、人間社会の過去・現
在・未来を見据えて、ダイアグノシスという診断行為を、広範な領域に渡って不断に
行っておられる。

我々は、天・地・人の各次元について、奥義書・秘伝書の伝統に乗っ取って書かれた
著作群や、藤原さんの広範かつ不断のダイアグノシスの内容の極一部と、処方の一端
が示された旺盛な言論活動に接する僥倖にあずかっているのである。

秘伝書や名医のカルテを素人が見てすぐに判らないのは当然であり、読み手には、ま
ず、書かれていることを一義的に咀嚼する能力が要求される。さらにその上で、藤原
思想の真の理解に至るためには、書かれていないことを読み解いて、その秘された内
容を汲み取って思想の顕・密の全体像を再構成した上で、さらに自己の思考を発展さ
せる土台とするべく、たえず原典を参省しつつ、さらには原典を離れて、社会現象を
含めた自然を観察して考察を続ける作業が必要である。

藤原さんの著作群や言論活動を山脈に、そして我々読者を登山者に例えれば、藤原思
想の山脈は、登山者が山を選ぶというレベルの山々ではなく、つねに毅然と峰立して
登山者を選んでいる天をつく高峰山脈であると言える。 藤原山脈に連なるいずれの
山の頂きからの眺望も素晴らしい喜悦を約束しており、多くの上級登山家を魅了して
やまないが、反面、遭難者も多く出るのであり、自己の能力に対する冷静さや謙虚さ
を失わないことが肝心である。

  
2−2. 藤原思想と新世紀の創作活動によせて 
           ー真の日本再生は現代文明の理念共有からー

藤原さんは、ジェオロジストという地球の医者として鍛えたダイアグノシス能力、2
0世紀を代表するオイルビジネスの最前線で磨いたインテリジェンス能力、そして歴
史学徒として培った歴史認識・洞察力等の卓越した諸能力を持っておられる。

しかも、これらの卓越した能力は、ヨーロッパ留学やオリンピック・アタッシェとし
ての経験や、欧州・中東・アフリカ・カナダ等でのビジネス経験、米国での企業家と
しての実務経験、ペパーダイン大学の総長顧問として世界の大学総長を訪ね歩いて2
1世紀の教育問題を語り合った体験等の多彩な経験と、世界各国の各分野・階層に張
り巡らされた人間的ネットワークに裏打ちされており、 藤原さんの思想内容と活動
スケールを、ライプニッツを彷彿とさせるものとするのに至っている。

若い頃から独立自尊と野心(のごころ)を大切にし、人爵などを歯牙にもかけぬ姿勢を
貫く藤原さんは、40代の初めの「申さんショック」を経てビジネスを整理し、世の
ため人のための活動にフォーカスした第二の人生を踏み出し、現在は主に、世界各国
へのコメンタリー提供等のジャーナリスト活動や、天地人の幅広い領域にわたる著書
群の執筆活動、21世紀の世界を担う人材の育成や人材ネットワーク作り等の活動
で、世界的スケールで活躍しておられるようだ。

このような幅広い諸活動のうち、特に言論活動の分野において、在外邦人である藤原
さんが力をそそいできたのが、祖国の青少年に対して視野を広げるべく日本脱藩のす
すめをすることと、普遍性に照らして浮かび上がる日本の問題点に対して警鐘を鳴ら
すことの2つの領域である。

特に後者については、ともすれば問題点を抱えて世界の異端に陥りがちな日本に対し
て、藤原さんは「虚妄からの脱出」等のブッククラスターを通じて、世界と歴史を深
く知る同胞の一人として、常にタイムリーかつ本質をついた警鐘を鳴らし続けてこら
れている。

そして、新世紀に入ってからの藤原さんの主な言論活動は、私が読者としてフォロー
できている範囲では以下の通りであるが、これらは、いずれも日本のご臨終と再生を
テーマとしており、この日本への警鐘の領域に属しており、新世紀に入ってダイアグ
ノシスと処方箋の提示がハイペースで続けられている。

「21世紀夜明けー"日本再生"のガイドライン(上・下)」 財界にっぽん2・3月号
「夜明け前の朝日 −マスコミの堕落とジャーナリズム精神の現在」 鹿砦社(ろく
さいしゃ) 4月
「日本は"賤民資本主義"から脱却せよ −日本衰退の一因はジャーナリズムの堕
落ー」
                                      
 財界にっぽん7月号
「日本の政治を再生する法 −観客民主主義では政治は再生できないー」
                北海道大学 新川敏光氏との対談  財界にっぽ
ん8月号
                           
これらを通じた、今こそ「平成幕末」であり回天の時であるという藤原さんの宣言は
明白であり、
今後、何に価値を置いて社会を営むべきであるか、日本の再生にとって問題となる急
所は何かという指摘や処方箋は明確であり、藤原さんは新世紀の言論活動で繰り返し
このメッセージを伝えておられる。

私も、多くの人と同様、今こそ、過去と将来を睨んで日本を起死回生させ、抜本的な
体質改善をはかる手を打たねばならない時であると考えている。そして、新生日本を
世界の文明の中でふさわしい役割を果たす国にするために、必要なことは何か、その
為に各人は何ができるのかを考え、行動を実践していく時が訪れたのであると認識し
ている。

だが、一方で日本は、ものすごい閉塞感に覆われてまるで元気と自信がない社会と
なっており、昨今のデフレの進展や、日米株式相場の低落と世界的ハイテクバブルの
終焉、中国への生産集中化に伴う空洞化現象の進行は、誰の目にも明らかであり、そ
の上で新聞・テレビで異常に暗い一般ニュースを毎日見て、大本営発表とみまがうば
かりの経済ニュースに接していれば、国民はますます頭がおかしくなるか、刹那的・
享楽主義的になっても全く不思議ではない状況にあるのも現実である。

私は藤原さんの読者の多くはそんなお粗末なこととは無縁のレベルにあると考えるも
のであり、そろそろこの日本臨終・再生のテーマについて本腰を入れて語り合っては
どうかと提案したい。

だが、この日本臨終・再生問題の検討は、問題を論ずる各人が、祖国というものに対
してそれぞれいだいている思いや経験・利害、各人の価値観や視点も様々に異なる大
きな問題である。従って、このテーマでいきなり討論を始めると、各人の祖国の現状
への思い(認識・評価)や経験の披瀝や、お互いの価値観・視点の確認等に時間がか
かり、弁証法的な境地の発展をみるのは容易ではないと思う。

そこで、私は、この日本再生問題を考えるについて、一見廻り道ではあるが、一旦、
現代文明を支える理念・思想とは何か、世界市民に必要な資格とは何か、現代世界に
必要なことは何かという普遍的レベルに次元を上げて要件を考えてみることを方法論
として提案したい。

その理由は3つある。

1つには、こういう視点を持つことで、日本という国の特殊性や目先の国内の混乱現
象にいたずらに惑わされることなく、よりすっきりと日本の進むべき方向性がつか
め、思考が纏まりやすくなると考えるからである。

2つ目は、現代文明の背景にある理念をきちんと理解し、自分のものとすることが、
改革を真に根付かせる為に必要だからである。

好むと好まざるとを問わず、現在、SIIや日米包括協議を通じてあらかじめ準備され
てきた大胆な社会改革プログラムの本格的導入時期を迎えており、いわば第二の文明
開化の状況を迎えている訳だが、運営の仕方まで手取り足取り教えて貰う制度であっ
ても、背景にある理念に対する深い理解がなければ、物真似に過ぎず、下手をすれば
「和魂洋才」や「中体西用」という過去のアジア型の折衷的なレベルの低い文明開化
の再現になってしまう恐れがある。
その新制度を本当の意味で自分の物とするには理念や理想への理解と共鳴が不可欠で
ある。

そして3つ目には、現代文明の根本的理念を理解して常に意識することが、日本が今
後、人類の文明に本格的に寄与して、世界のコミュニティの一員として尊敬され、必
要とされる為にどうしても必要だからである。
そして、文明を支える根本理念を理解して、主体的に人類の未来に関わって、意義あ
る対案を提出していくことが、世界のコミュニティの一員として大切な役割であり、
何よりも、正論で勝負することができるようになることが安全保障に直結していると
考えるからである。


私は、現在、我々がまず取り組むべきは、温故知新という言葉を思い起こしつつ、世
界と自国の歴史的現実・実態を踏まえ、祖国を客観的に捉えて、世界の各文明の理念
と方向性をわきまえたうえで、自国を世界の文明潮流の中に位置付けて、世界および
リージョナル・コミュニティの経世済民と人類文明の生成・発展の為に自国は何がで
きるか、何をするべきで、何はするべきでないかを考え、合理的・普遍的な理想を掲
げ、それに向けた実行計画を立案・実践し、その理想の実現に沿った形で日々の生活
をデザインし、その理想・ビジョンと現実の生活展開の双方について世界の理解を得
るようにすることであると考える。

日本の首相が早くこういう内容に関した演説を国内外にするのを耳にしたいものだ。

 金子純一 拝                               
    ー以 上ー




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編集     金子純一
発行     亀山信夫
問い合わせ先 dappan@rb3.so-net.ne.jp
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